「たぶん、商業漫才、商業コントは一生作れない」21年目に開催した“野性爆弾20周年ライブ”の顛末
#お笑い #インタビュー #野性爆弾
●「賞レース出たいですよ、それは。だって有名になるんでしょ?(笑)」
――「キングオブコント」といえば、野性爆弾さんって賞レースの印象がないんです。若手の頃って参加してました?
くっきー してましたよ。
ロッシー でも本人が出たいと言っても、なかなかエントリーしてくれないんですよね。「ムリやろ」って。できへんヤツが「進学したい」と言い出したみたいな感じなんです(笑)。
くっきー 「M-1」始まった時もマネジャーに「出てみるわ」と言うたら、「はいはい、わかりました」でエントリー表を渡されないまま終わっていく。それでも「M-1」出た時は3回戦で落ちたのかな。
――「M-1」に出てたんですか。意外です。
くっきー 芸歴10年目、最後の年に出ましたね。手に寿司乗せて回るというネタやったんですよ。漫才に慣れてなくて距離感わからんから、マイクに手がバーンと当たって、そのままセンターマイクが客席に倒れて。悲鳴の上がる中、僕たちの「M-1」は終わりました(笑)。「キングオブコント」も一回、準決勝までいきましたし。今は出てませんけど。
ロッシー 予選の最後、うちらがコントやるのがボケみたいになってるんですよ。MCのあべこうじ君にいじられて、密着のカメラもついて「名前呼ばれへんやんけ! なんやこれ!」で帰るノリができあがってるみたいな。
――「俺たちに賞レースは関係ないぜ」というポリシーを持って、参加しないものかと勝手に思ってました。
くっきー 出たいですよそれは。だって有名になるんでしょ?(笑)フフフ。
ロッシー 結局、バッファローさんがくれる賞(バッファロー吾郎が主催する「BGO上方笑演芸大賞」)しかもらってないですね。
くっきー 20周年ライブは「キングオブコント」を狙えるネタや営業で出稼ぎできるネタを目指してたんです。でも作りだしたら気持ち悪くて作られへんで、ああいう形になってしまう。結果、どこにも出せない。
――今、営業で出稼ぎできるネタはあるんですか。
ロッシー それが営業用のネタが1本あるんです。奇跡的に。
くっきー 前半は結構かわいい、ベタな感じの歌ネタで。そこに「俺も歌いたい」と言い出して、急に弩級の下ネタを放り込みます(笑)。それに相方がキレてケンカになって、僕が鳥になって飛んでいく。
ロッシー で、僕が一人残される。
――ほとんど野爆さんのコントのような……。
くっきー 反応は悪くないです。下ネタで一瞬お客さんが沈んでも、相方がキレるためのフリなんで、少しヒャッと引いたほうがいいんですよ。ヒャッとなりすぎると大変ですけど。15年ぐらいそれやって、もう目つむってもできます(笑)。
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