王族たちのリアルサッカーゲーム? 中東と中国のバカみたいな年俸設定と、取り残される日本と韓国……
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サンフレッチェ広島のJリーグチャンピオンシップ制覇、クラブワールドカップ3位に貢献したドウグラスのアル・アイン(UAE)移籍が発表された。J2徳島ヴォルティスからレンタル移籍で加入したこのブラジル人FWは、昨季サンフレッチェ広島で本格的にブレークし、サポーターからの人気も高かった。突然の移籍発表に、さぞかしファンも悲しんでいるかと思えば、意外にそうでもないという。
「昨シーズンの広島でのドウグラスの年俸は2,500万でした。これが、アル・アインに行けばその10倍以上は確実といわれています。これを考えたらファンも、“悲しい”というよりは、“仕方ない”っていう感情になりますよね。ちなみに移籍金は、保有権を持っている徳島に5億ほど入るといわれています。これはJ2クラブの年間平均予算といわれる10億の半分に値するわけですから、徳島としては、こんなありがたい話はないですよね。中東のサッカークラブは、王族たちがオーナーを務めている場合が多く、ここ数年かなりバブリーな状況になっています。気になった選手を片っ端からリストアップして、お金でなんとかしようとしているんです。王族たちからすれば、まるでテレビゲームをやっている感覚でしょうね」(スポーツライター)
昨年サウジアラビアのアル・ナスル・リヤドからの5億円のオファーを受けたといわれる日本代表DF槙野の、浦和レッズでの年俸は6,000万。国内では金持ちクラブといわれている浦和でさえ、これほどの差があるのだ。
さらに、アル・アインに昨シーズンまで所属していたガーナ代表アサモア・ギャンの年俸は、10億以上だったとされる。しかし、W杯での活躍で有名になったものの、ギャンはクラブレベルで結果を残している選手とはいえない。もし、ヨーロッパでやっていたら間違いなく半分ももらえていなかっただろう。中東の景気のよさが感じられるエピソードだが、アジアにはもっとお金があるクラブが存在する。
「そのアサモア・ギャンは今シーズン、中国の上海上港で、なんと年俸19億ももらっています。これはセリエA最高のデ・ロッシの倍以上、ブンデスリーガ最高のレバンドフスキの1.5倍ですよ。こういっちゃなんですけど、バカみたいですよね。ギャンを超える選手が世界にほとんどいないってことですから。それに比べてJリーグの最高年俸は、ガンバ大阪・遠藤保仁の1億8,000万。韓国KリーグはFCソウルのモリナで1億3,000万。10倍以上も離されています。こんな彼らには今年のアジアチャンピオンズリーグ、頑張ってほしいです」(同)
国内リーグの活性化は、そのまま代表に直結することが多い。Jリーグのクラブも発足当時は、一流外国人選手を金で掻き集め、強化を図ってきた。しかし、今では日本人を中心としたチームを作るクラブがほとんどだ。現在行われているW杯予選、少なくとも中東勢と中国には負けられない。
(文=沢野奈津夫)
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