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壊滅的低視聴率の『紅白』が改革できないワケ「局外の力に逆らえない……」

壊滅的低視聴率の『紅白』が改革できないワケ「局外の力に逆らえない……」の画像1NHK『第66回NHK紅白歌合戦』公式サイトより

 昨年の大みそかに放送された『第66回NHK紅白歌合戦』の平均視聴率は、前半34.8%、後半39.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、1989年以降最低だったことで、早くも「番組構成の見直し」がささやかれている。

 NHK関係者によると「アイデアとしては、各都道府県からの出身者に分けるとか、視聴者からの人気投票にするとかいう話が出ている」というのだ。

「マスコミには“サプライズがなかったから”だと言われていますけど、制作側はそうは見ていないんですよ。企業秘密なので詳しく言えないんですが、番組の放送時間すべてが悪かったわけではなく、歌手別に波もあったので、そういった分析から再構成の必要性も出てきているんです」(同)

 局内でも、これだけ数字が落ちるのは想定外で、籾井勝人会長の指示で正月休み返上で原因の分析を迫られた役員もいたというから一大事。ただ、改革案については「案は出ても、実行できないのが紅白」と関係者は語る。

「何しろ、芸能プロと音楽業界ががっちり食い込んでいるので、局外の古い業界人に逆らうことができない。たとえば近藤真彦だって一定の世代にしか受けないのがわかっていながら、ジャニーズ側が『出る』と言えば即決定なんですよ。それで、白組26組中7組がジャニーズタレントなんて偏ったものになってます。NHK側で出演者を選定できるのは、せいぜい3分の1以下。だから、いくら番組構成を変えたって意味はないし、それを邪魔する改革は最初から通らない」(同)

 数字が悪かっただけではない。視聴者から届いた意見では「面白くなかった」というものも目立ったという。

「“前半だけでも、過去の紅白歌合戦から名場面を集めて放映してくれ”なんて意見もあったけど、NHKだけでどうにかできる問題じゃない」(同)

 紅白は民放の音楽番組では考えられない高視聴率のため、出演歌手にとっては翌年1年間の活動に大きく影響する仕事でもあり、大手芸能プロが半ば談合的に出場枠を奪い合っている。視聴率が悪くても、そう簡単に番組構成の見直しなどできないのが実情のようだ。

「極端な話、これを変えるなら番組終了以外にないでしょうね。でも、悪くても30%台を出すモンスター番組ではあるので、旧態依然としたまま続くのでは。すぐにできることといったら、往年の歌手に過去のヒット曲ではなく、新曲を歌わすことぐらい」と関係者。

 ちなみにNHKに、紅白の番組構成の見直しがあるか問い合わせてみたが、「個々の番組ついては回答しかねます」と答えてはもらえなかった。
(文=ハイセーヤスダ)

最終更新:2017/05/15 16:52
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