『報ステ』古舘伊知郎、『NEWS23』岸井成格降板で、日本の言論の自由はどうなる?
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文春は巻頭で、日本にイスラム国の人間が2人入ってきていると報じている。その情報は「欧米の情報機関と日本当局とが開設している極秘の伝達手段によって得られたものである」という。内容は「IS関係者、2名、日本国への入国情報あり。確認されたし」。1人は、パリのテロ事件の首謀者アバウド容疑者と「接触」していたことが確認された男A。もう1人はISの資金調達を任務としているのではないかというBだが、こちらは性別さえもわかっていない。
信憑性がどこまであるのか記事を読む限りわからないが、あり得る話ではあろう。Aはフランス人で氏名、容貌、身体的特徴まで詳細な情報を日本当局は入手しているという。それが事実なら、Aが身柄を拘束されるのは時間の問題だろう。
以前ここでも書いたと思うが、フリージャーナリストの安田純平氏がシリアの武装組織に拘束され、身代金を要求されているという情報がある。
彼は、今年6月に取材でシリア国内に入った後、行方がわからなくなっている。もしこの情報が事実だったとしたら、日本政府はどのように対処するのだろう。後藤健二氏の時のように、後手後手と回って見殺しにするのだろうか。気がかりである。
新潮は、天皇が82歳の誕生日会見で絶句したことを取り上げている。天皇は冒頭、5月に鹿児島県の口永良部島の新岳が噴火したことや、9月には豪雨により鬼怒川などが氾濫して8人が亡くなった災害について話し、2人の日本人がノーベル賞を受賞した喜びなどに続けて、こう語り始めた。
「今年は先の大戦が終結して、70年という節目の年にあたります。この戦争においては、軍人以外の人々も含め誠に多くの人命が失われました」
ここでいったん「お言葉」が途切れ、続く「平和であったならば、社会のさまざまな分野で有意義な人生を送ったであろう人々が命を失ったわけであり、このことを考えると、非常に心が痛みます」にいくまで「沈黙の15秒」があった。このことが「天皇陛下がご高齢であることを再認識させられる」(宮内庁記者)ことになったというのである。
8月15日の全国戦没者追悼式でも黙祷の前に「お言葉」を述べてしまうなど、天皇の体調を心配させるハプニングが起きていた。だがそのことについて、天皇は会見の中で「私はこの誕生日で82になります。年齢というものを感じることも多くなり、行事の時に間違えることもありました。したがって、一つ一つの行事に注意深く臨むことによって、少しでもそのようなことのないようにしていくつもりです」と率直に語っている。
天皇は高齢である。少しぐらいの間違いや物忘れをとやかくいうものではない。それよりも天皇がここに込めた「あの戦争の悲惨さを決して忘れてはいけないという思い」を、われわれは重く受け止めなければいけない。
23日夜の『報道ステーション』で古舘キャスターは、天皇についての長い特集を組み、戦争で亡くなった人たちへの鎮魂と沖縄に対する天皇の強い思いを何度も繰り返し伝えていた。
今回の天皇の「お言葉」は明らかに、日本の戦争を美化し、戦前回帰を強める安倍自民党への強い批判である。そこをはっきり伝えず、高齢による老化を心配するふりをして天皇の言葉の重みを減じようというのは、安倍首相の意を汲んでのことではないかと邪推したくもなる。
そういえば、テレビ朝日が『報道ステーション』の古舘キャスターが来年3月いっぱいで降板することを発表した。安倍自民党の圧力に古舘が嫌気がさしたのか、テレビ朝日が圧力に屈したのだろう? 『NEWS23』(TBS系)の岸井成格アンカー批判といい、この国の言論はますます危うくなっている。
それなのに大新聞は、新聞に「軽減税率」適用をしてくれる安倍自民党に擦り寄るポチに成り下がっている。恥ずかしくないのか。
(文=元木昌彦)
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