『まんしゅう家の憂鬱』発売記念インタビュー
漫画家・まんしゅうきつこ「やっと“憂鬱な家族”を笑い話に変えることができた」
2015/12/28 14:00
#マンガ #インタビュー
■家族のことを書く、ということ
――……家族の漫画を描いて、よかったなと思ったことは?
まんしゅう 私、自分の家族が変わってるなんて、1mmも思ったことなかったです。でも友達が遊びにくると、必ず言われる。「ほんっとに、変わってるねぇ……」って。まず聞かれるのが「ケンカしてるの?」です。ケンカはしてないんです。ただ会話が常にケンカ腰で、罵声が飛び交ってる家なんです。この本を描いて、みんなに「面白い」って言われて、ようやく「うちは変わってたんだ……」と認めることができました。
――家族のことを描くというのは、自分を見つめる作業でもあったんですね。
まんしゅう つらかった話を笑える話に変換させることで、嫌な気持ちを昇華させているのかもしれません。うまく説明できないけど、私がこれから生きていく上でとても大切な作業だったと思います。
――今後、描いてみたい題材はありますか?
まんしゅう 本当はノンフィクションではなく、フィクション作品を描きたいんですよ。スポ根とかカンフー漫画とか。殺人拳法のお話とか。正直、私にとって、エッセイ漫画は楽なんです。実際体験したことを絵にするのは、フィクションよりたやすいと思う。本当にやりたいのはフィクションですけど、そこまでの能力はまだ自分には備わっていないので、もう少し修業して、技術力を身につけたいですね。
――殺人拳法のスポ根漫画、楽しみに待ってます!
まんしゅう ……でもわからない、いつやめたいという気持ちが勝ってしまうか。来年くらい、全部の連載終わりにしてたりして(笑)。
(取材・文=西澤千央)
最終更新:2016/02/19 20:06
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
18:20更新
イチオシ記事
山岳民族に残る「嫁さらい」の実情を追う 『霧の中の子どもたち』と日本の非婚化