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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 話題の漫画家・まんしゅうきつこ
『まんしゅう家の憂鬱』発売記念インタビュー

漫画家・まんしゅうきつこ「やっと“憂鬱な家族”を笑い話に変えることができた」

IMG_2071.jpg撮影=後藤秀二

 壮絶なアルコール中毒体験を漫画にした『アル中ワンダーランド』(扶桑社)がスマッシュヒット。そして2015年12月、まさに“満を持して”原点である伝説的ブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」が『まんしゅう家の憂鬱』(集英社)として書籍化された漫画家・まんしゅうきつこ。奇抜なペンネームから想像もつかない端麗な容姿、そしてシュールかつゲスかつユーモラスな作風で一躍時の人となった彼女が抱える、本当の「憂鬱」に迫る。

――『アル中ワンダーランド』のヒットで、周りの環境など、何か変わったなと思うことはありますか?

まんしゅうきつこ(以下、まんしゅう) 名前問題は相変わらずありますよ。私、「ナタリー」さんにタグを作ってもらえないんです。ほかの漫画家さんは、みんなタグがあるのに。結局ヒットしても、そこまでのヒットじゃない。やっぱり30万部くらいは売れないと……。

――ペンネームで自ら業を背負い……。

まんしゅう 名前のせいなのか、私自身が嫌われているのか、それはわからないんですけど。この間トークイベントをやったときに、「おめおめこさん」というライターさんが来てくださって。やはり変わった名前の方は、親近感を持ってくださるようです。でも、そのあとに「潮吹プシャ美さん」(あやまんJAPANユース)がいらっしゃったときは、さすがに自分よりすごいな……と思いました。上には上がいるものですね。

――まんしゅうさんは、確実に「その世界」の扉を開いたと思います。

まんしゅう 先人として、このままいくしかありませんよね。

――メディアなどに顔出しするようになって、変わったことはありますか?

まんしゅう 特にないですね。顔出ししたから本が売れたのか、しないほうが売れたのかは、よくわからないですけど。顔出ししたことを、快く思わない人もいるじゃないですか。漫画家たるもの、表に出ないほうがいいと思う方は多数いらっしゃるので。

――ミステリアスな存在であってほしいという。

まんしゅう 私、精神的によくないので、ネットはアマゾンのレビューさえも見ないようにしてるんですけど、さすがにグラビアに出たとき(「週刊SPA!」4/14・21号)だけは恐る恐る見ちゃったんですよ。そりゃもう、散々でした。「ブス」だの「鶏ガラ雰囲気ババア」だの。「まんしゅうきつそうな顔してるな」っていうのも、もちろんありました。

――ショックを受けましたか?

まんしゅう でも、顔出しする前の「美人らしい」とかいわれてる時期がすごくイヤだったんですよね。だから、晴れてババアだの鶏ガラだのが明らかになって、ホッとした部分は正直あります。ウワサがひとり歩きしてハードルが上がりすぎて、でもフタを開けてみたらこれですよ。

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