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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.354

静脈注射によるトリップ演技があまりにヤバい! 乞食美少女の純愛ドラマ『神様なんかくそくらえ』

heaven-knows-what03東京国際映画祭に来場した際のアリエル・ホームズ。「ドラッグからは足を洗いました。現実をしっかり見つめて物事を考えるようにしています」と語った。(c)2014 TIFF

 物語は終盤、NYのストリート暮らしから抜け出そうとイリヤとハーリーは愛の逃避行を試みる。ハーリーがマイクから買い与えられた携帯電話をイリヤが夜空に向かって投げ棄てると、携帯電話は花火となってNYの夜空に散っていく。サイアクな青春ドラマに、一瞬だけ美しいロマンスの花が開く。

 ヌードシーンも含めて身も心も素っ裸になってハーリー役を演じたアリエルはハリウッドで注目を集め、『Winter’s Dream』『American Honey』と立て続けに2本の映画に出演した。『American Honey』は人気若手俳優シャイア・ラブーフの相手役だ。ホームレスから映画スターへの階段を駆け上がっているアリエル。でもジョシュア監督によると、女優業に強い執着は見せていないらしい。彼女にとって『神様なんかくそくらえ』への出演は、自分自身を悩ませ続ける“ロマンス依存症”に対する一種の心理療法だったのかもしれない。

ジョシュア「アリエルが今後も女優業を続けるのか、それとも歌手になるのか作家になるのかは誰にも分からないよ。でもひとつだけ言えるのは、彼女は彼女自身がなりたいと思ったものに必ずなってみせるってこと。本当に彼女は自由な存在。自由すぎるくらいに自由なんだよ」

 若くして命を散らした恋人との思い出を“ロマンス依存症”として抱えながら生きていくだろう主演女優の将来を、ジョシュア監督は愛しそうに、そして切なそうに語った。
(文=長野辰次)

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『神様なんかくそくらえ』
監督・脚本・編集/ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ 音楽/冨田勲、アリエル・ピンク、タンジェリン・ドリーム、ヘッドハンターズ 出演/アリエル・ホームズ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、バディ・デュレス、ロン・ブラウンスタイン、a.k.a.Necro 配給/トランスフォーマー R15 12月26日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
(c)2014, Hardstyle, LLC. All Rights Reserved.
http://heaven-knows-what.com

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最終更新:2015/12/24 20:00
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