平浩二「ぬくもり」Mr.Childrenパクリ騒動は、なぜ半年放置されたか……演歌“売り上げ枚数”の現在
#Mr.Children
演歌歌手の平浩二の楽曲「ぬくもり」の歌詞が、ミスチルの名曲「抱きしめたい」に酷似しているとして商品が回収される騒ぎを起こした。販売元である徳間ジャパンコミュニケーションズは「著作権侵害に相当する」と判断。平自身も、所属会社のウェブサイトで、謝罪コメントを発表した。
ネット上では「そもそも、よく見つけたよな。歌手も曲も知らんよ」「発売から半年以上バレないなんて、よほど売れてないのか」といった声が聞こえる。こうした意見の背景には、“演歌はマイナー”だという世間一般の認識があるだろうが、実は演歌は、地味に売れているジャンルなのだ。
「音楽不況により、ポップスなどの、流行歌の音楽CDが売れなくなって久しいです。そのため、演歌やアイドルなど、固定ファンのいるジャンルの売り上げが目立つ傾向にあることは確かですね」(音楽ライター)
それでも、2014年度のオリコン年間シングルトップ100のうち、演歌のランクインはわずか5作。うち2作は氷川きよし、残りは島倉千代子、水森かおり、福田こうへいだ。演歌が地味に売れているとはいっても、音楽業界全体のパイの中で見れば埋もれてしまうのは確かだろう。だが、週間や月間ランキングなどを見ると、ちょこちょこと演歌のランクインを目にすることがある。そこにも、圧倒的な音楽不況が関係している。
「そもそもCD自体がまったくと言っていいほど売れないので、500枚も売れればオリコン100位には入ります。50位なら1,000枚、30位なら1,500枚が基準といわれています。さらにオリコンは予約数もカウントされますから、熱心なファンがちょっと行動を起こせば、上位へのランクインも簡単にできてしまいます。タイミングにもよりますが、1万枚を売れば1位になる場合もあるため、発売日を調整するアーティストも多いですね」(同)
ちなみに平浩二のデビューは1969年。デビュー45年を超えるベテランである。問題となった曲は今年5月に発売された「愛・佐世保」のカップリングだった。昔の言葉でいえば“B面”である。不本意な注目のされ方をしてしまったことは、気の毒ではある。
(文=平田宏利)
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