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週刊誌スクープ大賞

マイナンバー汚職“異色の官僚”が激白! 「本当の汚職官僚」と「不安だらけの制度の穴」

 まずは、文春恒例の「国内海外ミステリーベスト10 2015」を少し紹介しよう。

 国内の第1位は『王とサーカス』(米澤穂信/東京創元社)。第2位は『流』(東山彰良/講談社)。第3位は『戦場のコックたち』(深緑野分/東京創元社)。第4位が『ミステリー・アリーナ』(深水黎一郎/原書房)。第5位が『鍵の掛かった男』(有栖川有栖/幻冬舎)
 
海外は第1位が『悲しみのイレーヌ』(ピエール・ルメートル/文春文庫)。第2位は『スキン・コレクター』(ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋)。第3位が『ありふれた祈り』(ウィリアム・ケント・クルーガー/ハヤカワ・ポケット・ミステリ)。第4位が『声』(アーナルデュル・インドリダソン/東京創元社)。第5位は『偽りの楽園』(トム・ロブ・スミス/新潮文庫)。

 私がこの中で読んだのは、『悲しみのイレーヌ』『ありふれた祈り』、7位に入っている88歳の元殺人課の刑事が主人公の『もう過去はいらない』(ダニエル・フリードマン/創元推理文庫)、『流』ぐらいである。

 その中で、お薦めは『もう過去はいらない』。先日、北方謙三氏にも勧めておいたが、格好いいジジイ・ハードボイルドの傑作だと思う。

 さて、シリアで起きたトルコの戦闘機によるロシア爆撃機撃墜は、せっかくパリ・テロ事件でまとまりかけていた欧米とロシアとの関係修復を元に戻してしまいそうである。

「10月にウィーンで開かれた米国やサウジアラビアなどとの外相会合で、ロシアがシリア領内にあるロシア軍基地の存続などを条件に、和平後の大統領選にアサド現大統領が立候補しないことを認めるという大胆な秘密提案をしたとされます。これなら、打倒ISが最優先課題の欧米も妥協の余地がある」(モスクワ特派員)

 だが、これも元の木阿弥。

 文春によれば、ロシアのプーチンとトルコのエルドアンは似た者同士だという。

「(トルコ・エルドアン首相は)最大都市イスタンブールのスラム街に生まれ、同市市長を経て首相となりました。政教分離を国是とするトルコにあってイスラム色の強い政党リーダーとして初めて単独政権を握ったのです。当初は、経済の構造改革に取り組み国民所得を就任後十年間で三倍にし、『ゼロプロブレム外交』と呼ばれる全方位外交で周辺国と良好な関係を築き、“中東の優等生”と呼ばれました」(外信部記者)

 しかし、昨年大統領に就任する前から独裁色を強めるようになっていき、「批判的なメディアに圧力をかける強権的体質を露骨に示すようになりました」(同)。昨年、白い宮殿と呼ばれる大統領官邸を新築した。建設費は日本円で700億円にも上り、部屋数は1,150もある。これは米ホワイトハウスの30倍以上、フランスのベルサイユ宮殿よりも広いという。

 ロシアと共に強い指導者を好む国民性を追い風に高支持率を維持し、強権的な政権運営を続けているため、どちらも簡単に折れるわけにはいかないようだ。

 ポストは、少し前に安倍首相の引退が近いという特集を組んだばかりだが、今度は安倍首相が衆参同日選挙に踏み切り、その結果、自民党一党独裁政権ができるという特集を組んでいる。

 週刊誌の良さも悪さも、「いい加減」なところである。朝令暮改は当たり前。その典型的な記事であろう。

 首相周辺は、来年7月に衆参ダブル選を考え始めたというのである。これが実施されると、憲政史上3回目になる衆参同日選挙だが、そのXデーは来年の7月10日になるそうだ。

 自民党内で、衆院選と参院選の同日選挙論が急速に広がっている。口火を切ったのは、佐藤勉国会対策委員長だった。11月28日の自民党議員のパーティーで、「来年ダブル選挙があるかもしれない」とぶち上げた。

 次に、谷垣禎一幹事長も「いろいろな可能性はある」と追随し、伊達忠一参院自民党幹事長も参院選との相乗効果が見込めると歓迎のコメントを出した。政権与党の幹部たちがここまで解散日程に踏み込むのは異例といえると書いているが、それはそうだろう。

 本来、解散総選挙は総理大臣の専権事項であり、党幹部は解散について質問されても言及しないというのが、これまでの慣例だったからである。

 総選挙は解散の日から40日以内と定められるなど、投開票日は国会日程との絡みで細かい制約がある。その数少ないチャンスの日が、7月10日だというのである。

 しかし、その日に同日選挙を実施するためには、通常国会を正月の1月4日に召集し、安倍首相は会期末の6月1日にピンポイントで衆院を解散しなければならない。

 さらに、1月4日には宮中で「奏事始」という祭儀が行われるのだが、天皇に国会への臨席を求めなければいけない(開会式は招集の数日後にすることも可能のようだが)。

 安倍首相は、その高いハードルを乗り越えようと「決断」をしたようである。11月16日、「大変異例だが1月4日に通常国会を召集したい」と、外遊先のトルコで同行記者団にそう表明したのである。

 その背景には、こういう腹づもりがあるという。野党は選挙への準備不足である。また、安保法制で落ち込んだ内閣支持率が、いまや40%台まで回復している。

 それに、おおさか維新の会が知事・市長のダブル選挙で大勝したことがある。同日選挙となれば、橋下氏は衆院選に出馬するかもしれない。そうなれば、橋下維新の会を取り込める。

 さらに、朝日新聞の自民党員への世論調査で、安倍首相は、小泉純一郎、田中角栄など並みいる歴代総裁を抜いて「最も評価する総裁」の第1位に選ばれたのである。これは、憲法改正に積極的だという点が評価されたのであろう。

 ポストは、安倍首相が増税再延期を掲げて同日選挙を打てば、圧勝するのは間違いないと読む。選挙資金は大企業から分捕る法人税減税をすれば、選挙の資金作りには困らないというわけである。

 こうやって同日選挙で大勝して、おおさか維新の会と組んで3分の2を確保できれば「21世紀自民党」結党で、憲法改正へとまっしぐらに進むというのである。

 当て事と越中ふんどしは向こうから外れるの喩えあり。安倍首相が考えそうなことだが、そううまくいかせてはならないという良識が、われわれ多くの国民の側にもある。来年の参議院選が「関ヶ原」になることは間違いない。

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