刃牙から刃牙へ──! 渋谷莉孔×平直行、緊急対談で継承された“ヤバすぎる”必殺技とは!?
#格闘技 #インタビュー #THE OUTSIDER #渋谷莉孔
刃牙から刃牙へ、必殺技を伝授!――漫画『グラップラー刃牙』の主人公・範馬刃牙のモデルになった平直行(51)と、地下格闘技から世界へ進出した“リアル刃牙”こと渋谷莉孔(30)の対談がついに実現した。平から渋谷へ、最強かつ最凶の格闘家になるための奥義が今、継承される!
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現在、アジア最大の総合格闘技イベント『ONE Championship』で活躍する渋谷莉孔。格闘家としてデビューしたのは今から7年前で、その舞台は不良系格闘技イベント『THE OUTSIDER(アウトサイダー)』の第3回大会だった。主催者側から“リアル刃牙”という異名を付けられた渋谷は、対戦相手を罵倒しながら殴打する凶悪なファイトで圧勝し、デビュー戦で観客の心を鷲掴みにしたのである。
その試合でレフェリーを務めていたのが、奇しくも平直行だった。
平といえば、空手、修斗、ブラジリアン柔術、シュートボクシングなどを習得する格闘技の達人だ。明るいキャラクターとトリッキーなファイトスタイルで人気を集め、前述したように漫画『グラップラー刃牙』のモデルにもなった。現在は指導者やレフェリーとして活躍中である。
浅からぬ縁を持つ二人の「刃牙」が、このたび、久々の再会を果たした。格闘家としてさらなる高みを目指す渋谷が「今、最も対談したい人」として、平の名前を挙げたのだ。
渋谷 ご無沙汰です。今日はよろしくお願いします。
平 久しぶりだね。アウトサイダーで僕がレフェリーをしたとき以来かな?
渋谷 かもしれませんね。
平 あのときは確か、KOかなんかで勝ったんだよね? 試合中に叫んだりしてたから、「変な面白いヤツが出てきたな」と(笑)。その後の活躍ぶりは、Facebookでたまたま出てきたときとかに、見てますよ。僕は長年ピンからキリまでいろんな選手を見てるから、海外に行ったくらいでは驚かないけど、頑張ってるなって思って見てます。
――今回の対談に先立ちまして、渋谷選手の最近の試合動画を平さんにチェックしていただきましたが、率直な感想をお聞かせください。まずは今年3月の海外デビュー戦、アドリアーノ・モラエス戦から。
平 なんやかんやで練習をちゃんとしてるんだろうな、ってことは伝わってきました。あ、意外とマジメなんだな、みたいな(笑)。技術的にはまぁ普通って言ったらあれだけど、いわゆる総合(格闘技)の技術をしっかりマスターしてるなってことはわかりますよね。
――10月に行われた海外2戦目、ユージーン・トケーロ戦についてはどうでしょう?
平 試合的には手堅くてよかったけど、プロ的にはなんかしようよ、って感じかな。ガハハハハ!
――なんかしようよ、とは?
平 やっぱ、相手をやっつけないといけない。相手もそんな弱くないから、難しいのはわかるけど、最初から最後までずっと手堅く寝技で戦って、観客がずっと応援して見てくれるかというと難しいよね。
――渋谷選手から平さんへ、質問がありましたら遠慮なくどうぞ。
渋谷 平さんのスパー映像を見ると「プレッシャーが強い」と感じるんですが、いつもプレッシャーはどう作ってますか?
平 僕、プレッシャー強い?
渋谷 映像を見ると、けっこうガンガン行ってるなぁと。
平 僕、こう見えて緊張しながら試合をするんで、相手が来るのがイヤなんですよ。だから相手が地味に来ると、派手な技を返して追っ払っちゃう。だから僕、試合でローキックを食らったことがほとんどないんですよ。あとで相手に聞くと、「おっかないなぁ、おまえ。入ったらいきなり来るから」って言われることが多いんです。
渋谷 カウンターが早いんですかね?
平 そう。相手がローを打ってきたら、すかさずハイを返す。と、相手はおっかなくなって、そのあと意外と行けないんだって。僕は性格的に、大きい技を好む。でもたまに疲れると小さな技もやる。それはそれで相手からしたら、なんかイヤみたいで。そんなこんなで端から見たら、僕が全体的に試合を支配してるように見えるのかも。
渋谷 プレッシャーをかけてる意識は薄いんですか?
平 うん。大事なのは距離感かな。こっちがバーッて行くと相手も打ち返してくるからイヤだ。でも最初に自分の距離にして、相手に詰めさせるのもイヤ。じゃあ、どうするか? 僕が考えた戦い方は、相手が来たらブロックするんじゃなくて、スッとかわして、後出しジャンケンみたいに攻めるやり方ですね。
渋谷 相手の「打ち終わり」を狙うんですか?
平 「打たせて、打ち返す」みたいな感じかな。相手が来ないと面倒くさいし、逆にウワーッと来過ぎるのも面倒くさい。ウワーッと来られたら大技を放つと、もう一回相手が離れてくれる。
渋谷 大技とは?
平 飛んでみたりとか(笑)。当たんなくてもいいんです。お客さんが満足してくれるから。たまに当たったりもするし。
渋谷 そういう技、自分も欲しいんですよね。判定勝負になりそうなときのための、終盤に出せる派手な技。
平 総合だと、どうなんだろうねぇ……。
渋谷 あと、打撃のフェイントも覚えたいです。総合の世界だと、打撃のフェイントが得意な選手ってほとんどいないですよね?
平 いない、いない。僕は打撃だけの世界でずっと生きてきたから、総合で打撃が来てもたいして怖くない。フェイントはねぇ、いい練習パートナーを見つけて、決まった形をいくつも作っていくしかないかな。ずっとフルラウンドで、バランスを崩さずできるよう、何度もそれらを反復練習する。「片側に目線を引きつけておいて、見えない逆側からパンチを打つ」というパターンをいくつもいくつも考えて、無意識でも動けるように延々と反復練習あるのみですね。
渋谷 わかりました。
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