ノ・ムヒョン元大統領の葬儀には100万人! 弔問者数に見る、韓国歴代大統領の人気ぶり
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11月22日に死去したキム・ヨンサム元大統領は、同26日に国立ソウル顕忠院に設けられた墓地に埋葬された。キム元大統領の葬儀は、史上初の「国家葬」として執り行われている。もともと韓国には「国葬」と、それに次ぐ格式の「国民葬」があったが、2011年の法改正で「国家葬」に統一されている。初めての国家葬ではあったものの、国民の負担を減らすという故人の意思もあってか、イベント自体はささやかなものだった。
そんな中、キム・ヨンサム元大統領とキム・デジュン元大統領の“葬儀比較”に注目が集まっている。生前“永遠のライバル”とされていた2人だが、焦点になっているのは葬儀に訪れた弔問者の数だ。
まず、キム・ヨンサム元大統領の国家葬が行われた11月22日から5日間、韓国各地に設けられた焼香所を訪れたのは23万7,000人余り。それに比べて、09年8月18日から行われたキム・デジュン元大統領の国葬期間(6日間)の弔問者の数は、72万2,000人を超えている。単純に数字だけを見ると、キム・デジュン元大統領の圧勝だ。
それにしても、なぜ弔問者の数に、こんなにも開きが出るのだろうか? キム・ヨンサム元大統領が死去したのは、大統領を退いて17年も歳月が流れた後だからというのもひとつの理由だろう。若者たちにとってキム・ヨンサム大統領は、すでに過去の人になっていたようで、「全国の焼香所で10~20代の若い弔問者を見つけるのは難しかった」とメディアは報じている。確認のために韓国歴代大統領を時系列でまとめておくと、キム・ヨンサム→キム・デジュン→ノ・ムヒョン→イ・ミョンバク→パク・クネとなる。
一方で、専門家たちは、09年5月のノ・ムヒョン元大統領の衝撃的な死去と関係があると考えているようだ。
キム・デジュン元大統領が死去するわずか3カ月前、ノ・ムヒョン元大統領は自宅の裏山の崖から投身自殺し、韓国中に衝撃を与えた。当時のノ・ムヒョン元大統領は不正献金疑惑にさらされており、側近や親族が相次いで逮捕。本人の逮捕も近いとされていた中で、突然自殺したのだった。ノ・ムヒョン元大統領の自殺がいかにショッキングだったかは、彼の葬儀に訪れた弔問者数を見ればわかる。09年5月23日からの6日間で、弔問者の数は100万人を超えている。そんな社会的なイシューとなったノ・ムヒョン元大統領の自殺の影響を受けて、同じ民主派のキム・デジュン元大統領の葬儀にも多くの弔問者が訪れたというわけだ。
ちなみに、韓国メディア「Redian」が最近行ったアンケートによると、韓国歴代大統領で国家の発展に寄与したと思える人物は、パク・チョンヒ(40.7%)が1位。続いてノ・ムヒョン(29.0%)、キム・デジュン(14.1%)、キム・ヨンサム(4.1%)、イ・スンマン(2.3%)となっている。弔問者の数に引き続き、こちらでもキム・デジュン元大統領に軍配が上がった格好だ。
いずれにせよ、韓国では弔問者の数まで比べられてしまうのだから、大統領という立場は大変だと同情せざるを得ない。
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