トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 濱田岳が初主演で引き継いだバトン
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第110回

王道復活! 濱田岳『釣りバカ日誌 ~新入社員 浜崎伝助~』で引き継がれた三枚目俳優のバトン

『金八先生』に出演したからといって、将来、役者を続けていく生徒ばかりではない。だが、武田は濱田が今後も役者を続けていくと確信していた。だから武田は、彼に最後まで役者でいることを要求したと、後に明かしている。

「芸能界を辞めていく子は、だいたいわかっているから泣きじゃくればいいのよ。いい思い出にしてもらう。でも、濱田は最後の一行まで粘って芝居する。だから、ヤツだけに泣くことを許さなかった。泣きで逃げるなって」(フジテレビ『ワイドナショー』2014年1月20日放送)。

 それから10年あまり、武田は濱田の新たな門出を祝うように『釣りバカ日誌 ~新入社員 浜崎伝助~』の第1回のゲストとして、釣り嫌いの上司役として立ちはだかったのだ。

 濱田のハマちゃんと西田のスーさんのコンビは回を追うごとに円熟味を増し、その掛け合いは、まるで何年も前からコンビを組んでいるかのように息がピッタリになってきている。

 パソコンの余命半年という話を課長の佐々木(吹越満)がハマちゃんが余命半年と勘違いをして一騒動になるだとか、ハマちゃんの母・とし子(榊原郁恵)が上京してきたことを契機に、息子のハマちゃんが母の不倫を疑い、同時期にスーさんの息子・昌之(駿河太郎)もまたスーさんの女性問題を疑い始めてしまうといった、ベタベタなドタバタコメディが毎回繰り広げられても飽きずに楽しめるのは、ひとえに濱田、西田をはじめとするキャストのハマりっぷりによるものだろう。

 昨今の主演を張れる若手俳優はスタイルもよく、顔も端正な、いわゆる“イケメン”ばかり。そんな中で濱田は、“三枚目”でありながら主演を張れる数少ない俳優だ。日本映画の王道コメディを支えた西田や武田から、彼は直接“バトン”を引き継いだ。

 濱田岳は、誰もが認める「香りのある」三枚目主演俳優となったのだ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/29 17:44
12
ページ上部へ戻る

配給映画