安楽死マシンを発明したジイサンに注文が殺到! 尊厳死コメディ『ハッピーエンドの選び方』
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タル&シャロン監督、ともに日本映画が大好きとのこと。黒澤明監督作や滝田洋二郎監督の『おくりびと』(08)など、独特の死生観が浮かび上がっている作品に魅力を感じているそうだ。『ハッピーエンドの選び方』でヨヘスケルが同じ老人ホームで暮らす獣医のダニエル(イラン・ダール)やその恋人でマッチョな元警察官ラフィ(ラファエル・タボール)らの協力を得て、安楽死を決行する様子は、『七人の侍』(54)の侍たちをイメージしたとシャロン監督は笑いながら語る。居場所を失った高齢者たちがチームを結成し、自分たちの死に場所を探すというコメディ展開は、北野武監督の最新ヒット作『龍三と七人の子分たち』にも似ていると告げると、2人は大喜びした。
タル「まだ『龍三と七人の子分たち』は観ていませんが、北野作品と共通するものがあると言ってもらえるなんて、とても光栄です。イスラエルでも北野作品はいつも劇場公開されていて、広く親しまれています。世界中の監督たちの中でも北野監督は飛び抜けた存在。天才中の天才だと思うわ」
シャロン「まったくの同感だね(笑)。僕の前作『A MATTER OF SIZE』(日本未公開)は相撲を扱ったコメディなんだけど、キタノというキャラクターを出したくらい、僕も北野監督が大好き。北野作品はバイオレンスものもいいけど、僕は『HANA-BI』(98)や『菊次郎の夏』(99)にすごく感動した。確かに北野作品は死生観をテーマにしたものが多く、『ハッピーエンドの選び方』にも通じるものがあるよね。強いて違いを挙げるなら、北野作品では主人公が自殺願望、破滅衝動を抱えていることがネガティブに描かれているけれど、『ハッピーエンドの選び方』ではGood Deathとしてポジティブに描いたという点かな」
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