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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 「東住吉放火冤罪事件」のその後
週刊誌スクープ大賞

新聞・テレビが絶対に報じない「東住吉放火冤罪事件」の“その後”を追った、新潮の週刊誌魂

 軍事評論家の前田哲男氏も、「アメリカがテロの標的となったとき、安倍政権が安保法制を発動する可能性がある。戦闘地域への捜索・救援活動などの任務があって、この場合、戦闘現場であっても活動を継続することができるようになります」

 そうなれば「自衛隊は自爆テロの対象となる危険性もある」と、アジアプレスの坂本卓氏
が指摘する。

 しかも「来年3月にも予定されている安保法制施行に向け、内閣法制局や防衛省などが新たな交戦規定を極秘協議。テキスト作りを始めていると、朝日は言うのだ。

「武器使用基準を拡大し、自分たちの身を守りやすくしただけでは戦場で身は守れない。駆けつけ警護や検問、補給などの際、敵と対峙してしまったら、まず最初は足元を狙い、次は急所の胸を撃つとか、そういうシミュレーションも決めていかないといけない。相手を殺すことを前提に考えなければ、命を落とすのは自衛隊員だ」(防衛省関係者)

 しかし、テロのやり方はますます巧妙になっていると、青森中央学院大学大学院の大泉光一教授が言う。

「最近は自爆テロが一般化し、背中にRDXベースの特殊なプラスチック爆弾をつけるケースが増えている。これは従来の自爆テロで使われたTNT火薬の爆弾と異なり、X線にも引っかからない」(大泉氏)

 国内に多くの米軍基地を抱えているのだから、日本本土がいつテロの標的にされてもおかしくはないはずだ。しかも、いまや米軍と自衛隊は一体化していると防衛省関係者は解説する。

「自衛隊と米軍の一体化は00年代前半から始まり、財政が苦しい米軍はコスト削減のため、基地を将来的に自衛隊へ返し、米軍が自衛隊の基地を間借りするという方向に転換。外務省、防衛省、財務省などの担当官僚と在日米軍司令部幹部が出席する日米合同委員会の席で、あうんの呼吸でこの流れは決まった。沖縄にある米軍基地、キャンプ・シュワブ、ハンセン、北部訓練場もいずれ、自衛隊に返されることは暗黙の了解となっている。辺野古も同様です」(関係者)

 今年4月に改定した新ガイドラインでも「日米両政府は自衛隊及び米軍の相互運用性を拡大し(中略)施設・区域の共同使用を強化」がうたわれ、その布石は近年、着々と打たれてきたと朝日は書いている。

 憲法に違反していることなど、お構いなしなのである。

 日本は約40年間毎年、米軍のために「思いやり予算」を支払ってきた。その上、安倍政権になると、「米軍から輸送機、オスプレイを17機、無人偵察機グローバルホーク、ミサイル迎撃に対処できるイージス艦など計2兆円以上を次々と“爆買い”」(朝日)している。

「空中給油機など高価な買い物をローンでどんどんしている。有志連合に加盟する他国やゲリラも同様に米、仏から兵器を購入。軍事利権が裏で蠢く限り、テロは終息しない」(軍事ジャーナリスト)

 アメリカなどの国の軍需産業にとって、テロが終わらないほうが、都合がいいのだ。彼らが密かに武器をISなどのテロ組織に流し、その両方で儲けていると考えるのは、悪い冗談だろうが、あり得ないことではないはずだ。
(文=元木昌彦)

最終更新:2015/11/24 21:00
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