食人族にカルト狂団!! 阿鼻共感のイーライ・ロス祭り『グリーン・インフェルノ』『サクラメント』
#映画 #パンドラ映画館
自分の愛する女をジャングルに連れていき、まず“食人族”に襲わせるというイーライ監督の痺れるような変態性愛! そして、それに応えるロレンツァ。園子温監督が意中の女性だった神楽坂恵を『冷たい熱帯魚』(10)や『恋の罪』(11)でむきだしにさせたのに通じるものを感じさせるではないか。『グリーン・インフェルノ』は監督のサディスティックさとマゾヒスティックな女優魂が織り成す珠玉の恋愛ドキュメンタリーでもあったのだ!!
『グリーン・インフェルノ』だけでもう腹いっぱい状態だが、同日公開される『サクラメント 死の楽園』はまた違った味覚で楽しませてくれる。前述したように実在のカルト教団・人民寺院で起きた惨劇を題材にした作品なのだが、教団の信者たちが暮らすコミュニティーを取材に来た撮影クルーは平和な楽園が教祖の命令で死体の山が積み重なる地獄へとたちまち変貌していく一部始終を目撃することになる。しかもPOVスタイルで撮影されているため、観客も現場に居合わせたような臨場感を伴う。信者たちに「ファーザー」と呼ばれる教祖(ジーン・ジョーンズ)が現実の楽園に終わりが来たことを告げ、信者に服毒死を呼び掛けるアナウンスが流れるシーンの不気味さに肌が粟立つ。
イーライ「日本では2本同時に劇場公開されるんだね! 初めて知ったよ、サイコーだね(笑)。『サクラメント』はタイ・ウェスト監督が人民寺院事件の映画化に並々ならぬ熱意を持っていたので、僕はプロデューサーとして協力したんだ。教祖役のジーン・ジョーンズは本当にいい俳優で、今回も素晴しく恐ろしい演技を披露してくれたよね。日本のみなさん、2本とも存分に楽しんでください♪」
クレイジーサンタからのちょっと気の早いWプレゼント。クリスマスを待たずに、さっそく開封してみたい。
(文=長野辰次)
『グリーン・インフェルノ』
監督・脚本・製作/イーライ・ロス 脚本/ギレルモ・アモエド 出演/ロレンツァ・イッツォ、アリエル・レビ、アーロン・バーンズ、カービー・ブリス・ブラントン、スカイフェレイラ
R18 配給/ポニーキャニオン 11月28日(土)より新宿武蔵野館ほか全国公開
(c)2013 Worldview Entertainment Capital LLC & Dragonfly EntertainmentInc.
http://green-inferno.jp
『サクラメント 死の楽園』
監督・脚本・編集/タイ・ウェスト 製作・脚本/イーライ・ロス 出演/ジョー・スワンバーグ、AJ・ボーウェン、ケンタッカー・オードリー、ジーン・ジョーンズ
R15 配給/東京テアトル、日活 11月28日(土)より角川シネマ新宿レイトショーほか公開
(c)2013 SLOW BURN PRODUCTIONS LLC
http://sacrament-death.jp
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