料理を作って妻の帰りを待つスタン・ハンセン かつての“不沈艦”のリタイア後の驚愕のライフスタイル
#本 #インタビュー
至宝・ウエスタン・ラリアットを武器に、日本のマットを(ときどき客席も)縦横無尽に暴れまくった不沈艦ことスタン・ハンセン。特に今の30代後半以降のプロレスファンに強烈な印象を与えたハンセンも、2001年に現役を引退し、15年8月には66歳となった。そんな彼が11月に著書『日は、また昇る。』(徳間書店)を上梓。プロレスデビューから現役引退までの思い出と当時の心境、そして引退後の今の生活についても語った同書だが、その中には当時のファンからすれば思いもよらないことが書かれていた。どうやら、今は主夫として家族のために料理をし、妻の帰りを楽しみに待つという生活をしているらしい……。
――本を読みました。引退後はずいぶん穏やかな生活を送っているようですね。まさか、あのハンセンがアップルパイを焼いて奥さんの帰りを待つような暮らしをしているなんて、思ってもみなかったです。
スタン・ハンセン(以下ハンセン) HAAH! ライフスタイルが変わったんだよ。リング上で見せてたキャラも自分の一部、もう一人の人格だ。でも引退して、それが変わったんだ。現役の頃だって、趣味のことや家族のこと、プロレス以外にもいろいろ考えていることがあったしね。プロレスは自分の仕事でもあり収入源でもあったけど、自分の人生はそれだけではないよ。自分はレスリングをすごく愛してたし、本気でやっていたことは間違いない。ものすごくハングリーで、トップに立ってやろうって、それを目標にして頑張ってきたし、トップに立てるなら手段を選ばずにやってきた。ただ引退して、自分のライフスタイルの中で、自分が興味を持っていたレスリング以外のものが前に出てくるから、当然変化が出る。いつまでも過去の栄光に浸ってられない。前を見て進むしかないからね。
――その興味があることというのは?
ハンセン 今はファミリーだね。子どももいるし、孫もいて、愛する妻もいる。家族で旅行に行ったり、出かけたり、毎日一緒に食事したり。ファミリーがメインになっているよ。
――家族のために料理もよくするそうですけど、その愛する奥さんがあなたの料理で好きなのはなんですか?
ハンセン スペシャルパスタディッシュだね! 週一で作っているパスタ料理があるんだ。ナスやマッシュルームを使ったパスタで、それが特にお気に入りだよ。
――本でそのレシピも公開してくれればよかったのに。次の本はハンセンのレシピ集をぜひ。
ハンセン レシピの版権を登録できたらやろうかな(笑)。ただ、妻は料理のプロだけど、私はまだグリーンボーイだから。引退したら、またグリーンボーイになってしまったよ(笑)。
――引退後に不幸になる選手が多い中、あなたはとても充実した暮らしを送っているようですね。
ハンセン その理由は神様が見てくれているのが一点(※ハンセンはクリスチャン)、最高のパートナーがいるのが一点。ほかにどんな悩みがあるっていうんだい? もちろん現役のときはレスリングが大事だったけど、引退した今は典型的なミドルクラスで、充実した日々を送っているよ。
――今現役のプロレスラーが引退して、あなたのような暮らしを送るためにアドバイスするとすれば?
ハンセン 残念ながらアドバイスはあげられない。ハンセンのやり方はハンセンに合ったやり方で、ほかの人に合うとは思えないからね。ただ、ひとつあるとすれば、ポジティブでいることだ。レスラーは蓄積したダメージが大きく、体中のあちこちが痛いのは当たり前。でも、体が痛いからといって、それをメインのポイントにすると幸せにはなれない。そりゃ何十年もやってるから体が痛いのは当然。大事なのはポジティブに考えることだ。
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