殺処分寸前の犬たちが人間に復讐する!! ハンガリー映画に込められた社会的弱者たちの叫び
2015/11/17 17:00
#映画
施設から犬たちが大脱走! 街中を大パニックに陥れる。CGには頼らず、動物トレーナーが撮影の4か月前から犬たちと過ごすことで熱演を引き出した。
コーネル監督「いろんな犬と人間との関わりを間近で知ることができて、『ホワイト・ゴッド』の撮影は僕らにとって素晴しい体験だった。それで撮影終了後に、出演犬たちの引き取りを含めたキャンペーンを張ることにしたんだ。撮影クルーの何人かは本当に犬たちと親密になって、その場で引き取ることを決めていたね。ウェブサイトも作って、犬のオーナーになってくれる人たちを募集したんだ。サイトを覗けば、全部の犬を見ることができ、引き取るかどうか決められるようにしてね。驚いたことに、サイトを立ち上げて1週間で30匹の犬たちに新しいオーナーが見つかった。さらにハンガリーでのプレミア上映までに、全部の犬の居場所が確保できたんだ。もし、この映画を作っていなかったら、250匹の犬たちはまだ施設で他の犬たちと一緒に里親が現われるのを待っていたかもしれないね」
日本では熊本県や神奈川県など犬や猫の殺処分ゼロに取り組んでいる自治体が近年増えつつあるが、それでもまだ日本全体では年間12万8000匹もの犬や猫が施設で殺処分に遭っている(2013年度)。コーネル監督によると、ハンガリーでは公的な施設でも民間の施設でも殺処分は行なっておらず、清潔で健康的な施設で保護された犬たちは新しい家族に引き取られる日を待っているそうだ。海外のペット事情に詳しい動物愛護家にも尋ねたところ、ハンガリーに限らず欧州のほとんどの国では施設での殺処分はすでに行なわれておらず、営利目的のペットショップも存在しないとのこと。では、劇中での“雑種は排除”という設定はあくまでも絵空事なのかというと、必ずしもそうではないらしい。
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