トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > ミュージシャンは大麻好き?

小6大麻吸引事件で“自称ラッパー”逮捕! ミュージシャンはなぜ、大麻が好きなのか

61ZbdW6v4MLxs.jpg『ONE LOVE-ザ・ベリー・ベスト・オブ・ボブ・マーリィ』(USMジャパン)

 京都市内の公立小学校に通う6年生の男子児童(12)が教師に「大麻を吸った」と話し、高校生の兄(17)の部屋から大麻が見つかった事件が話題となっている。大麻を譲り渡したとされるのは、自称ラッパーの末長直喜容疑者(25)だ。

 過去に大麻で逮捕されたラッパー・ヒップホップミュージシャンといえば、CRAZY-A、YOU THE ROCK★、練マザファッカーのD.Oなど、シーンを牽引するような立場の者も少なくない。MC漢が今年6月に著した自伝『ヒップホップ・ドリーム』(河出書房新社)にも、大麻に関して著述していると思われる箇所が数多くあった。いったいなぜ、彼らはこれほど大麻が好きなのか? シーンに詳しい関係者は、次のように語る。

「ヒップホップに限らず、ポップミュージックの多くは薬物とともに発展してきた背景があります。60年代後半に発生したムーブメント『サマー・オブ・ラブ』では、LSDの幻覚とともにサイケデリックな音像が追求されましたし、80年代にイギリスで発生した『セカンド・サマー・オブ・ラブ』では、エクスタシーなどアッパー系の幻覚剤と合う、より享楽的でフィジカルなダンス・ミュージックが生まれました。一方、レゲエの世界ではボブ・マーリーが大麻を推奨しており、音楽的に共通点も見られるヒップホップ界隈にも大きな影響がありました。むしろ、ヒップホップが80年代以降、世界中で発展した背景には、ドラッグの流行がケミカル系からナチュラル系へと移行し、大麻に合うサウンドが求められたから、と見る向きさえあります。ヒップホップと大麻カルチャーは分かち難く結びついていて、それは日本でも例外ではないのでしょう。もちろん、日本で大麻を吸うのは法律的に罰せられて然るべきですが、大麻肯定論者の多くは法律こそ間違っていると考えていて、実際にアメリカでは医療大麻容認の動きもあることから、彼らが反省するとは思えません。似たような事件は、今後も起こりうるでしょう」

 一方、大麻が非合法だからこそ生まれたラップミュージックもあると、同氏は続ける。

「日本ではそもそも大麻が違法となっているからこそ、大麻について歌うだけでレベルミュージック(社会や権力に抵抗する音楽)となるため、バトルの文化が根底にあるヒップホップとは相性がいいです。道徳的な良し悪しは別として、芸術的に面白い作品がそこから生まれることも少なくありません。また、一方でドラッグの文脈とは違うところから、新たなラップミュージックが生まれているのも、日本独自の面白いところといえます。最近はDAOKOや泉まくらといった、従来のヒップホップにありがちなマチズモ的要素が一切感じられない作風で注目を集める女性ラッパーが増えていますが、彼女たちは比較的クリーンな日本だからこそ、新たなスタイルを確立できた面もあるのではないかと思います。ともあれ、現状では大麻は非合法なのだから、後者のように薬物に依存しないスタイルを模索するのが、一般論としては望ましいのでしょうね」(同)

 大麻を吸った少年たちが将来、“自称ラッパー”で終わらない大人になることを願いたい。

最終更新:2015/11/14 08:00
ページ上部へ戻る

配給映画