トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『アフロの変』がつなぐ“変なモノ”
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第109回

カルチャーは、点ではなく線――『アフロの変』がつなぐ“変なモノ”

 そんな彼らが紹介する“変なモノ”もまた多種多様。気鋭の若手ミュージシャンからマニアックな映像作品はもちろん、マンガ、アイドル、ゲーム、果ては測量器やヤクルト、立ち食いそば、調味料のソースコまでなんでもあり。このなんでもありな幅広さこそ、かつての深夜番組の醍醐味を思わせる。

 知らない人たちが映る画面を見て、「誰なんだよ?」と言ってチャンネルを変えてしまうのは簡単だ。だが、人には「知らないことを知る」快感があるはずだ。

『アフロの変』のコンセプトは、毎回大谷が熱っぽく語り、レキシやアシスタントMCにあしらわれているが、「カルチャーは点ではなく線」ということ。

 ひとつひとつの“変なモノ”は「点」だが、歴史的に俯瞰してみればそれぞれが縦につながって「線」になったり、同時代に起きたものが関連し合って横でつながり、「線」になることもある。『アフロの変』はそうした数多くの「点」を紹介しながら、「線」にしていく快感にあふれている。それまで興味のなかったものが、実は自分の好きなモノとつながっていると分かった瞬間の感動は、何物にも代えがたい。

『アフロの変』のスタジオは部屋を模して、ちゃぶ台のようなテーブルを囲んでMCとアシスタントMC、時にゲストが座っている。

 画面の下端には、常にテーブルがある。だから、あたかも見ている自分も画面の中の彼らとつながって、一緒にお茶の間で談笑しているような感覚に陥ることがある。それくらい、彼らの会話はいい意味で“気楽”なのだ。いくら大谷が必要以上にアツくなってしまっても、レキシがそれをいなしてユルくしてくれるバランスが絶妙だから、安心して笑いながら未知の世界に触れることができる。

「新しいもの」を紹介するからといって高尚なフリをせず、深夜番組らしいなんでもありな空間で、『アフロの変』は“変なモノ”と僕たちを「線」でつないでくれているのだ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/29 17:44
12
ページ上部へ戻る

配給映画