深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.348
人生を変えてしまう快心のエッチがここにある!? 黒川芽以主演コメディ『愛を語れば変態ですか』
2015/11/12 17:00
#映画 #パンドラ映画館
一見すると清楚な人妻と思われていたあさこ(黒川芽以)だが、実はとんでもない性癖の持ち主だった。そのギャップがまたいいんです。
招かれざる訪問者たちによって、あさこの意外な素顔が暴かれていく。若者はあさこにストーカー行為を重ねていた盗聴魔であり、あさこと過去に関係を持っていたことが分かる。あさこは、かなり年上の不動産屋ともただならぬ関係らしい。不動産屋はあさこと駆け落ちするために大金を強奪してきたのだ。不動産屋の「お前らは法律の範囲内で愛しているのか。俺は無制限にあさこを愛している」という言葉に、あさこはウルウルする。いいムードになるとついつい下半身を開いてしまう、超尻軽女だったのだ。関係を持った男たちはあさこに夢中になり、常規を逸した行動をとるようになる。マジメな夫はあさこのそんな性癖が心配で会社を辞め、カレー屋を夫婦でやることにしたのだ。誰があさこをいちばん幸せにできるのか。男たちは店内で死闘を繰り広げる。
本作でデビューを果たした福原充則監督は、劇団「ピチチ5」を主宰するなど演劇界で活躍する人物。カレー屋を舞台にした本作は、2006年に上演した「キング・オブ・心中」を映画用にアレンジしたもの。カレー屋を掻き乱すフリーターの今野浩喜(キングオブコメディ)は、主演映画『くそガキの告白』(12)で田代さやかを相手に窒息死寸前のエンドレスキスを決めている。2005年にオンエアされた『仮面ライダー響鬼』(テレビ朝日系)の少年役で注目された栩原楽人はSM映画『ナナとカオル』(11)で緊縛マニアの童貞に扮し、すっかり変態役もOKな俳優に成長した。大ベテランの永島敏行だが、若手時代には『遠雷』(81)で汗だくになりながらビニールハウス内で半青姦に励んでいた。変態について語り合うのに、なかなかの顔ぶれが集まったと言えそうだ。
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