「テリー伊藤のような者とは絶対付き合ってはいけない」故・日刊ゲンダイ川鍋会長の名語録
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ポストの見方は、やや異なる。大の安倍嫌いで「慰安婦問題の解決がなければ会わない」と強気だった朴大統領だったが、日韓会談後、慰安婦への人道支援、つまり実質的補償の検討を再開させることで合意したと報じられている。
一見、安倍首相が譲歩したように見えるが、ポストはそうではないと言うのである。
「現在、存命している韓国政府登録の元慰安婦は47人。人道支援の予算が、日経の言う1億円なら1人約200万円、韓国側が挙げる3億円としてもたかだか1人約600万円になる計算だ。安倍首相にすれば“あれほど騒いでいたのに、ホントにたった3億円でいいの?”と眉に唾をつけたいのではないか」(ポスト)
だが、この書き方はおかしいと思う。慰安婦問題で韓国側が重要視していたのは「首相による謝罪」であったはずだ。それがはっきりなされれば、金額の問題ではないはずである。だが、安倍首相はそこのところを曖昧にしたままだ。この問題は決着したわけではない。
ところで、先の朝日も言及していたように、文春も、米中関係が難しい局面に入り、日本はこれから厳しい選択を迫られることになると警告している。
それは、米中首脳会談直後に、オバマ大統領が下した判断から生じた。オバマは習が「南シナ海では我々は一歩も譲歩するつもりはない」と言い放ったことで、ハワイに司令部を置く米太平洋軍の海軍大将に「南シナ海での『航行の自由作戦』を承認する」許可を与えた。
横須賀を出航したイージス艦「ラッセン」に「南シナ海を北上し、中国の人口島の十二カイリ内を通過せよ」という指令が伝えられ、10月27日に「ラッセン」はスビ礁やミスチーフ礁など、中国の人口島の12カイリ内を1時間ほど通航したのだ。
中国海軍は艦の後方を駆逐艦と巡視艦の二隻で追尾し、中国国防省が米国のやり方を強く非難した。だが、これから長期化するであろう米中のにらみ合いで、米国が強く期待するのが日本の役割分担だと文春は言う。
先に訪日したフィリピンのアキノ大統領と安倍首相の間で、将来、自衛隊によるフィリピン駐留を見据えた訪問軍地位協定が確認されたという。その3週間後に海上自衛隊鹿屋基地所属のP3C哨戒機と隊員20名が、フィリピン西部の島で比軍と共同訓練した。
ここから中国が埋め立てを進める南沙諸島までは、300kmほどしか離れていない。
米国は南シナ海での哨戒活動に日本も加わるよう盛んに求めているそうだが、そんなことをすれば丸腰でヤクザの事務所へ乗り込むようなもので、「国民の十分な議論のないままに水面下でリスクのある計画が進んでいくことには疑問も感じます」(海上自衛隊関係者)というのも当然である。
現代は、まったく違う角度から安倍首相の訪韓時の“異変”について報じている。これが事実なら大スクープだと思うのだが、目次の扱いは小さく目立たない。どうしてなのだろう?
それは、安倍首相が朴大統領と少人数の首脳会談の席で起きたという。朴大統領が慰安婦問題で、韓国民が納得のいく対応をとってほしいと述べた。次に、真向かいに座る安倍が発言する番になった。
「『ええ、わが国といたしましても……』
安倍首相は、必死に語りかけようとするが、ろれつが回らなかった。
韓国の外交関係者が明かす。
『朴大統領と安倍首相の慰安婦問題を巡る応酬の中で、「異変」が起こったのです。韓国側の話によれば、安倍首相の顔はみるみるドス黒くなっていき、とても健常者には見えなかったそうです。
安倍首相に不調が見られたので、横に座っていた岸田外相や谷内局長がフォローした』」(現代)
それは故・中川昭一財務相が「酩酊会見」したときのようだったが、もちろん安倍首相は酩酊していたわけではなかった。
やはり、持病の潰瘍性大腸炎が悪化してきているからだろうか。このところ「夜の会合の最中に吐血した」(文春)「官邸執務室で体調不良を訴え応急手当を受けた」(ポスト)という報道が目に付く。
特にこの持病には、ストレスが大敵である。日中韓の首脳会談は安倍首相にすさまじいストレスを与えたはずである。これが事実だとしたら、安倍首相念願の東京五輪を現役の首相で迎えることは不可能に近い。いや、年明け早々の退陣もあり得るかもしれない。
現代発売と同時に、安倍首相は週刊現代に抗議した。
「安倍晋三首相は9日、同日発売の『週刊現代』に掲載された記事が『全くの虚偽』などとして、講談社の野間省伸社長らに対し、事務所を通じて記事の撤回と訂正、謝罪を求める抗議文を送った。誠実な対応がない場合は『法的措置も検討する』としている」(産経新聞11月9日付)
文春やポストの記事には、抗議したのだろうか? こうした報道が次々出るということは、煙があり、火元があるということだ。今のところ現代編集部は「書いた通り」だとしているそうだが、事実ならば徹底的に突っ張ってほしいものである。
(文=元木昌彦)
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