「テリー伊藤のような者とは絶対付き合ってはいけない」故・日刊ゲンダイ川鍋会長の名語録
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
ポストは、2,248億円の粉飾決算疑惑で揺れる東芝が10月28日、半導体部門の主力工場のひとつである大分工場の一部をソニーに売却すると発表した問題を追っている。
これが行われれば、2016年3月までに同部門の社員のうち約1,100人が、ライバル企業であるソニーに転籍されることになる。
売却額は、約200億円とみられるそうである。大分工場は東京ドーム8個分の広大なもので、約2,400人が働いているという。
当然ながら、ソニーに行くか残るか、当人たちに選択肢はない。だが、給与面ではソニーに行くほうが「厚遇」されるそうだ。
ソニーの社員の平均年収は891万円だが、東芝は759万円で、ソニー広報は「給与はソニーの基本的な体系に合わせることになります」と言っているからだ。
「今回、大分工場の残留組と統合される岩手東芝エレクトロニクスは、東芝本社より給料が3割ほど低い。新子会社に移る社員は岩手東芝の待遇に合わせ、給料3割カットがまっているといわれる。現場では“なぜ、売り飛ばされたほうが厚遇になるのか”との声も出ているそうです」(本社勤務の50代の中堅幹部)
だが、残留組の不満が爆発しないように、給与の差額補償を内々に約束したらしいとの情報もあるが、ソニーと東芝の社の体質の違いもあって、ソニーに行ったからといって、みんなに明るい未来が待っているわけではないだろう。今さらながら、経営者たちの罪は重い。
第5位。三井不動産レジデンシャルが販売した、「パークシティLaLa横浜」の杭打ち偽装“事件”は燎原の火の如く広がり、ほかの不動産会社にも飛び火している。
新潮では、「今から『自宅マンション』を点検できる完全ガイド」を巻頭から特集しているが、今住んでいるマンションの杭打ち偽装を調べるためには相当なカネが必要で、とても個人でできるものではない。
迂遠だが、新潮が首都圏の地盤の深度を表した「地盤マップ」を掲載しているので、これを見て、自分の住んでいるところは支持層がどれぐらいなのかを知ることはできる。
20m以上あるところでは、一応疑ってみたほうがいいという。私が住んでいる中野区は12m、東京駅周辺は17m、東京スカイツリーのあたりは29mだそうだが、越谷レイクタウンは49m、北千住は49m、大宮は50m、豊洲は41m、新浦安は55mと、相当深いところがある。
浅いと思っているところも起伏があるので、心配ならマンション販売時のパンフレットや竣工したときの資料が手許にあれば、杭の長さが10~20といった表記になっていないかを調べるといいという。同じ建物でも、杭の深さがバラバラということは傾斜地に建っているということだから、気をつけたほうがいいそうだ。
そんなことを言われても、わかったからといってどうするのか? でも、それでも知りたい。そんな葛藤に、マンションの住人たちは襲われているに違いない。
天皇皇后の姿をテレビで見ることが多いが、文春は最近、天皇陛下に深刻な異変が起きていると報じている。
「すべては壇上で起きたことで、その場にいた全員が目撃しました。一般の観衆はちょっとしたハプニングだと捉えたようです。しかし、天皇陛下の為さりようを長年拝見してきた記者なら、いま我々の目前で起きていることは非常に重い意味を持つのではないかと、深刻に受け止めたはずです。だからこそ、宮内庁記者会は侍従だけでなく次長に対しても、詳細な説明を求めた。ただ、この“事件”を報じることは、取りも直さず陛下の健康問題について指摘することに繋がる。これは非常にデリケートな問題であり、やむを得ず報道するのを見送りました」(宮内庁担当記者)
こう書き出すと、天皇陛下に重大な病気が新たに見つかったようだが、文春によれば、以下のようなことである。
それは10月25日、富山県で開かれた「第35回全国豊かな海づくり大会」の式典行事に、天皇皇后が臨席された時に起こったという。
そもそもこの行事は、天皇皇后が地方へお出ましになる毎年恒例の「三大行幸啓」のひとつである。三大行幸啓とは、初夏に行われる「全国植樹祭」と、秋に行われる「国民体育大会」、そしてこの「全国豊かな海づくり大会」。植樹祭や国体の御臨席は昭和天皇から引き継がれたものだが、唯一豊かな海づくり大会だけは、天皇が皇太子の時代に始められ、1981年の第一回大分県大会から出席されているそうだ。
89年の即位のとき、記者会見で天皇はこう述べている。
「皇太子時代、毎年豊かな海づくり大会に出席しましたのも、日本を囲む海が少しでも良くなるように願ってのことでありました。地球規模の環境が日本でもだんだん関心を集めてき、それに取り組む人々が増えてきていることを、大変うれしく思っております」
天皇はこの大会に特別の思いがあり、今回の富山訪問にあたっても、天皇皇后は富山市の県立イタイイタイ病資料館も視察され、患者の家族らとも懇談されている。
問題の“事件”が起きたのは、25日正午頃。壇上では、若手の漁師夫妻による決意表明や、児童による最優秀作文の朗読などのプログラムが次々に披露されていた。
「最後に、『閉会のことば』を述べようとする横山栄・富山県議会議長が舞台下手の主催者席を立ち、高校生の先導で、ステージ中央後方の天皇皇后両陛下に向かって最敬礼をするポイントまで進むと、天皇陛下が議長を呼び止めるように右手をパッと出されたのです」(別の宮内庁担当記者)
横山議長はなんのことかわからず、狼狽したという。後で横山議長はこう話す。
「本当に驚きました。私が頭を上げると、陛下が手招きをされている。一、二歩進んでも陛下の声があまりよく聞こえませんでしたので、失礼を承知で本当におそばまで近付いたところ、『最優秀作文の発表は終わりましたか?』とお訊ねになったのです」
横山議長は一瞬なんのことかわからなかったそうだが、「終わりました」と申し上げると、ふうんと納得されたような感じだったという。
この様子を見て、宮内庁担当記者の脳裏には、ある懸念が去来していたという。
「思い出したのは、あの8月15日の終戦記念日に行われた全国戦没者追悼式での、“お言葉フライング”の一件です。(中略)何十年も続けてこられたこの追悼式の手順を間違えられ、黙祷を待たずにお言葉を読みあげられた陛下のお姿は、衝撃的でした」
心配されるのは、お年を召されるにつれて物忘れをなさることが増えていることだと、ある宮内庁関係者が話している。
「気の置けないお客様と御所でお会いになる時は、人の声に対して集音能力の高いセパレート型と見受けられる補聴器をお使いになっているそうです」(宮内庁関係者)
今上天皇は来月82歳を迎えるのだから、少々物忘れがあってもおかしくはない。私などは一回り下なのに、耳は聞こえず目は近く、物忘れという程度ではなく、認知症の初期の兆候がはっきりと出ている。
テレビで見る天皇陛下は、確かにお年を召されたが、歩く姿や姿勢などはまだまだ矍鑠(かくしゃく)としている。先日、飛び入りでパラリンピックを目指す選手と卓球を楽しまれた映像にはビックリした。確かに文春の言うように、周りに控えている侍従たちが、それとなく目配りをしてあげることは必要だろうが、体力、気力はまだまだ衰えていないようだ。
心配なのは、両陛下の公務の多すぎることである。皇太子や秋篠宮に公務を割り振り、両陛下が休める日をもっと増やしてあげることを至急やるべきであろう。
閑話休題。日刊ゲンダイの川鍋孝文会長が亡くなったのは9月17日だった。その「お別れ会」が11月9日に帝国ホテルで開かれ、多くの人が川鍋氏を偲んだ。
その際「日刊ゲンダイ 川鍋孝文追悼号」が配布された。川鍋氏がつけた最後の見出しは今年6月4日号の「筋書き通りの国会審議の茶番 裏の真相を全く報じないこの国のタレ流し新聞記事の罪」であった。
創刊以来、「流されゆく日々」を連載し続けている五木寛之も、一文を寄せている。
「川鍋さんは、いつも独特の気配を漂わせていた。その気配を言葉にするのはむずかしい。あえていうなら、『自由』の風が吹き過ぎる雰囲気なのである」
川鍋氏が社内報で発表した文章も収められている。川鍋語録を抜き出してみよう。
「編集者は洒落者でなければならない。いつもGパンにうす汚れたシャツでは優秀にはなれない。精神のオシャレが服装に反映するからだ。嗜好は一流好み、バーは銀座、ぜいたくが好きというのも必要条件だろう」
「若い編集者の諸君に、とにかく、才能のある無名の人との接触をおすすめする。テリー伊藤のような手垢にまみれたTV出演者とは絶対付き合ってはいけないし、自分が損をすることになると警告をしなければならない」
「いま編集者は上質な人間に適した職業であるのだろうかは分からない。編集者は、黒子になって、世間的スターを作り出すのが本来の仕事であった。あくまでも自分はマットウな地道な黒子であった」
夕刊誌(紙ではない)の時代を作った英雄の死は、確実にひとつの時代の終わりを告げている。合掌!
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