坂口健太郎、千葉雄大、柳俊太郎……さらなる活躍が期待されるモデル出身の若手俳優5人
#リアルサウンド
ティーンズからの支持も厚い 山崎賢人
山崎賢人といえば、平均視聴率が11.5%と話題になった『デスノート』(2015)で、主人公と対峙する探偵のL役を熱演していたことが印象に残っている。NHKの連続テレビ小説『まれ』(2015)では、一役で高校生から30代の父親までを演じるなど、難しい役どころをこなしていた。その一方、ティーンエイジャーからも厚い支持を受けており、『ヒロイン失格』(2015)、『orange』(2015)、『四月は君の嘘』(2016)、『オオカミ少女と黒王子』(2016)などの映画作品で、連続して男子高校生役に抜擢されている。現在21歳の山崎は、リアルな高校生と年齢が近い分、ほかの俳優よりも共感を生みやすいのではないだろうか。こんな先輩がいたらいいなという、夢を見させてくれるところが、ティーンを夢中にさせる一因なのかもしれない。
アクションもこなす万能タイプ 松坂桃李
フジテレビ系『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』では、謎の美女に翻弄されながらも、次々に起こる猟奇殺人の真相を暴こうと奮闘する刑事役を演じている。もともとは、ファッション雑誌『FINEBOYS』のモデルとして芸能活動を開始。その後、2009年に『侍戦隊シンケンジャー』で俳優デビューし、これまで正統派としてキャリアを積んできた。先に紹介している千葉雄大とは、役者としてほぼ同期に当たるのだが、千葉が『SUMMERNUDE』(2013)や『きょうは会社休みます』(2014)などの恋愛ドラマへの出演が多いのに対し、松坂は『ダンダリン労働基準監督官』(2013)や『軍師官兵衛』(2014)など、どちらかというと堅めな作品が多い。同じ戦隊ヒーローものからスタートしながらも、その後のキャリアに違いが生じたのは、実直そうなビジュアルはもちろん、激しいスタントも難なくこなせる身体能力の高さが、説得力を求められる役どころに適していたからかもしれない。今回の『サイレーン』のストーリーにしても、恋愛にスポットをあてながらも、サスペンスやアクションが含まれているからこそ、松坂桃李のキャラクターにハマっているのだろう。
流行を牽引するファッション誌からキャリアをスタートしたモデル俳優には、少なからずその時代に求められる理想の男性像が反映されている。今回、紹介した俳優たちは、冒頭で挙げたベテランたちと比較すると、どこか中性的で柔らかな印象を抱かせるタイプが多い。働く女性が増加した昨今、男性に対しても癒しや優しさを求める傾向があるのかもしれない。そんな彼らが俳優としてさらにキャリアを積んだとき、ドラマや映画業界にどんな影響を与えていくのか。その過程に注目すると、また違った視点で作品を楽しむことができるのではないだろうか。
(文=泉夏音)
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