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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 地下格出身・渋谷莉孔が世界へ

ついに一本拳が世界に炸裂──! 地下格闘技出身・渋谷莉孔の才能が完全開花した!!

shiburiku102705(c)2015 ONE Championship

――クアラルンプールで戦うのは二度目でしたが、客席の反応はいかがでしたか?

渋谷 入場のときからヤバかったっす。ハンパじゃなかったっす。特に現地の中学生くらいの少年ファンがたくさんいて、ものすごい声援を送ってくれました。

――前回のアドリアーノ・モラエス戦を見て、渋谷選手のファンになった少年が多いのかもしれませんね。ちなみに前回はメインイベントでしたが、今回は12試合中7試合目でした。現地での人気を考えると、もっと終盤の試合順でもよかったような気もしますけど。

大沢 格闘技の場合、人気だけじゃなく、結果も見られちゃうんですよ。前回は確かにいい試合だったけど、負けは負け。今回は勝ったけど、この1勝だけでは、そんなに扱いは変わらないんじゃないかな。次も勝って、本当にファンを引きつけたら、扱いも変わってくるはずです。

――次戦の予定は?

渋谷 今年の12月にやることだけは決まりましたが、詳細はまだ言えません。

大沢 渋谷にはいずれ『ONE Championship』でベルトを取ってほしいですね。そうすればますます面白くなる。今年から大晦日の格闘技興業(RIZIN)も復活するし、日本の総合格闘技は再び盛り上がりつつあります。そんな中、正規の路線じゃないところから這い上がってきた渋谷みたいな存在は面白いし、テレビ的にも使いやすいし、活躍できる力もある。アウトサイダー(前田日明主催の不良の格闘技大会)出身で、地下格闘技の世界でも戦っていた渋谷は、最初こそ色眼鏡で見られがちだったけど、いまや国内外のトップファイターたちからも、うるさ型の格闘マスコミからも、その力量を認められつつありますからね。

――大沢さんから見て、「格闘家・渋谷莉孔」の最も優れている点はどこでしょうか?

大沢 「気持ち」でしょうね。正直、日本じゃたいした戦績を挙げていないし、トップファイターと試合をやった経験もほとんどないんですよ。なのに、ああいう海外の大舞台で、ビビらず前に向かって行ける。こないだの対戦相手のトケーロは、打撃も強いし圧力もすごいという評判を関係者から聞いていたから、僕は試合前、「打撃勝負はキツイだろうから、組み技中心で考えたほうがいいんじゃないか?」と提案したんですけど、渋谷は「打撃でもしっかり勝負できるようにしておきたい」と言ったんです。で、実際、開始直後に打撃のコンビネーションで相手を飲み込んじゃった。その前のアドリアーノ・モラエスとのタイトル戦のときも、相手は格上なのに、打撃の真っ向勝負でひるませていたから、やっぱ、気持ちがつえーんだな、と。

shiburiku102706(c)2015 ONE Championship

――気持ちの強さは、どこから来ていると思いますか?

大沢 不良魂じゃないですか? 格闘技って、ケンカが強い奴じゃないと最後の最後に勝ち切れないんですよ。ケンカって、諦めない奴が最終的に勝ちますから。……お前、ケンカ強かっただろ?

渋谷 (ステーキを口に運ぶ手を止めて)……あ、強かったです。でもぶっちゃけ言うと、アウトサイダーのときも地下格のときも、そんなに本番に強かったわけじゃないんですよ。どうやったら本気を出せるのか? ということを、1年半ぐらい前にいろいろ考え直した結果、本番に強くなったんです。

――どうやったら本気を出せるんですか?

渋谷 これは悪口じゃないんですけど、いろんな人の試合を見ていて、「みんな練習では強いのに本番では弱いな」と思うことが多くて。バックステージではけっこう弱気っていうか、空元気な選手がすごく多いんですよね。9割ぐらいの選手がそう。

――空元気とは?

渋谷 めっちゃノッてる風に見せているけど、たぶんノッてないんだろうな、みたいな。

大沢 ハッハッハ(笑)。弱気を隠すために強がったり、緊張を怒りに見せかけたりな。

渋谷 昔は自分も空元気野郎だったんですけど、最近は、特にこないだの試合なんかは、楽しい感情しかなくて。バックステージにいるときから、本当に楽しくて、ただのパーティー野郎だったんですよ。入場のときも観客の顔が全員見えて、コイツらの前でどう格好つけてやろうか、とか、そんなことしか考えていなかったんですよ。格好つければ結果的にいいポジション取りができるし、いいフォームでパンチやキックも打てるし、パフォーマンス全体がアップする。倒すとか倒されるとかを考えるよりは、格好つけることを第一に考えたほうがいいということに、あるとき気付いたんですよね。

――かつて渋谷選手のセコンドを務め、先日「ROAD TO UFC JAPAN」を勝ち上がった石原夜叉坊選手に、考え方が近いですね。

渋谷 夜叉坊は「女子にモテるため」に全精力を注いで、結果を出していますよね。でも、客席が全員男だったらどうすんねん? と夜叉坊には問いたい(笑)。格闘技は男のファンも多いんで、自分の場合は「老若男女全員にどんだけ格好つけるか」ってことを考えます。そうすると蹴りとかパンチとかも、練習以上のものが出せるんです。練習したことを100パー出すっていうよりは、自分を1000パー、2000パー出す、っていう感覚。そんぐらい出るもんだと思っているんで。本番では。

大沢 その出し方を細かく教えるセミナーでも開くか(笑)。

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