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CD売り上げ低下、機材が安価に……ミュージシャン映画続発の裏事情

denki1226.jpg「DENKI GROOVE THE MOVIE? SPECIAL SITE」より

 ミュージシャンを題材にした映画が相次いで公開されている。SCANDALの海外ツアーに迫ったドキュメンタリー『SCANDAL Documentary film HELLO WORLD』が10月17日より公開されているほか、佐渡岳利監督がPerfumeのアメリカツアーに追ったドキュメンタリー『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』が10月31日に、大根仁が監督を務める電気グルーヴのドキュメンタリー『DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~』が12月26日に、それぞれ公開する。

 公開されるのは、上記のようなドキュメンタリーだけではない。朝倉加葉子が監督を務めたファンタジーホラー映画『女の子よ死体と踊れ』では、アイドルグループのゆるめるモ!が初主演を務めている。一方で、今夏に発表された『私たちのハァハァ』は、実在のロックバンド・クリープハイプのファンである女子高生たちの青春を描いた映画で、音楽映画の枠を超えた広がりを見せた。

 こうした作品が増加している理由について、業界関係者は次のように分析している。

「音楽映画が増加している背景には、まず圧倒的に機材や設備が安価になったことが挙げられます。かつては映画を撮影するとなったら、それこそ少なくとも数千万円は予算がかかりましたが、今は低価格でかなり良いカメラが買えますし、映像の編集もデジタル化が進んだため、はっきりいってかなり敷居が下がっている。言ってしまえば、ライブツアーにカメラマンが帯同するだけで、ファンにとってはうれしい内容のドキュメンタリー映画が作れてしまうのが今の状況です。それを映画として公開するだけでお金になるのだから、やらない手はないですよね」(音楽業界関係者)

 実際、ミュージシャンを題材にして映画を作るという方法は、音楽業界にとってもマネタイズのひとつとして注目されているという。

「90年代のCDバブル以降、YouTubeや配信サービスの台頭などにより売り上げが右肩下がりの音楽業界は、フェスやライブなどの現場と、それに伴う物販で収益を補完してきました。そんな中、映画というのは、まだファンがお金を払う余地のあるマーケットとして注目されています。映画館で好きなアーティストの作品を見るのは、YouTubeなどでは味わえない“体験”なので、やはり人気ですね。海外でもこうした傾向は強くなっており、今後ますます一般的になっていくのでは」(同)

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