“Kawaii”カルチャーの先駆け・Julie Wataiの次なる野望は……?
2010年ごろから、自ら「クールジャパン」などと名乗り始めた日本の“kawaii”カルチャー世界進出の先駆けとなったJulie Wataiをご存じだろうか? 天野あいという名前で、グラドル活動もしていた彼女。06年に海外の出版社から写真集『SAMURAI GIRL』を発表すると、欧米で大ヒットした。女の子というコンテンツをポップに加工し見せていく―—“クールジャパン”の裏で、活動を続けてきた彼女が、次に見せるものとは?
──写真集『SAMURAI GIRL』の出版からすでに10年。あっという間に日本は、クールジャパンを売りに世界にアピールを続けています。Julieさんはその先駆けという感じですね。
Julie Watai(以降、julie) もともと創作活動をしていて、作品を色んな人に見せていました。ある時、海外から出張中のイタリアの編集者の方の目に止まって、今で言う “クールジャパン”なテイストの写真集はまだ無いから、作ったら面白そうだっていう風に言ってくださったんです。
──グラビアアイドルが、オタク趣味を持っていて、それで出版……というような、感じではなかったんですね。
Julie 当時、海外で日本のポップカルチャーが受けているっていうのがまだ一般的ではなくて、2年くらいイタリアに住んで作ったんです。作品制作が終わって、またやることがなくなっちゃたんで、イベントコンパニオンの仕事をしたことから、うまい具合にレースクイーンの契約が決まって。
レースクイーンって、なんだかフィギュアみたいじゃないですか? すごく2.5次元の存在だなって思っていて、「売ってたら欲しい」みたいな(笑)。
──なるほど。生身の人間をフィギュアのように見ていたから、『SAMURAI GIRL』や『ハードウェアガール』みたいな、無機質ながらポップな写真集ができたんですね。
Julie あとは、日本のアニメやマンガには戦闘美少女ってジャンルがあるじゃないですか。今は世界中にファンがいっぱいいるんですけど、それって日本独特の価値観だったらしいんですよ。「風の谷のナウシカ」とか正にそうだと思うんですけど、それがアメリカになるとアマゾネスになってくるわけで、筋肉隆々の強そうな姉ちゃんが戦うみたいな。
──そうですね。つまり、マッチョな世界の中にマッチョな女性っていうフォーマットですよね、結局男化しちゃうというか。戦闘美少女っていうのは、見た目は弱々しいのに強いですよね。
Julie そう、フェミニンなのに強いみたいなところって、すごく日本独特の理想の女の子象らしくて、それをどうにか三次元でも表現したいなと思ったのが最初なんです。ちょうど子どもの頃からギークで、フォトショップも使えるようになったので。
──それで、写真を加工しつつ、女の子と世界を2.5次元的に撮影したんですね。
Julie もともと作品づくりの資料として、コミケとかでコスプレの女の子を撮っていて。私が彼女たちに、一眼レフで綺麗に撮って写真を焼いてあげると、もうめっちゃ喜ばれて。やっぱり女の子は綺麗に撮られるのが好きなんですよね。
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