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日刊サイゾー トップ > エンタメ > スポーツ  > 武豊騎手、逃げ馬と運命の挑戦

武豊騎手「過去との再会」 天皇賞に挑むエイシンヒカリと“悲劇の名馬”の数奇な運命

 サイレンススズカは最後の直線手前で突如失速。左前脚の手根骨粉砕骨折を発症し競走中止、最終的に安楽死の措置がとられた。骨折の瞬間、実況は同馬の父、サンデーサイレンスになぞらえて「沈黙の日曜日」と叫んでいる。

 翌年の海外での活躍が期待され、血統的にも種牡馬として大きな成功の見込めたサイレンススズカの死に、多くのファンは言葉がなかっただろう。そして同馬を誰よりも知る武豊は、その夜生まれて初めて泥酔したという。推し量れないほどのショックを受けていたのは確かだ。

 そして2015年、レーススタイル、毎日王冠の強い勝ち方、そして開催日まで同じ状況で、武豊がエイシンヒカリと天皇賞に挑む。運命的なものを感じずにはいられない。

「武騎手が強い逃げ馬に乗って『サイレンススズカの再来』と呼ばれたのは、一昨年の天皇賞に出走したトウケイヘイローなどが主ですが、ここまで似ている馬は初めてですね。スズカファンの中には『一緒にするな』という意見もあるものの、今年の天皇賞の主役になるのは間違いありません。武騎手にしても感慨深いものがあるはず。最近のインタビューでも、当時の質問を拒否する場面があったそうですし、いろいろな意味で忘れられない馬なんですね」(競馬記者)

 一時調子を落としながらも、不死鳥のように復活し、勝ち鞍を重ねる名手に訪れた「過去との再会」。願わくば、勝利をつかんで悲劇との決別を果たしてほしいものだが、まずは無事にレースを終えてくれることを祈るばかりだ。

最終更新:2015/10/13 23:00
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