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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 文春編集長休業に説明責任は?
週刊誌スクープ大賞

「社長が編集部に怒鳴り込んできた!?」文春編集長“3カ月休職”処分に求められる説明責任

 ガラッと変わる。「不倫は文化」ならぬ「戦争は文化じゃない」と国会前の安保反対デモで雄叫びを上げ、注目された石田純一(61)だが、新潮によればその「後遺症」は深刻だという。

「テレビ番組を3つキャンセルされました。35年の芸能生活で、こんなのは初めてです。CMもひとつなくなったし、広告代理店を通して、厳重注意も2、3社から受けました。“二度と国会議事堂にデモに行くな”“メディアの前で政治的発言をするな”ってね。でも、世の中のためになることをやりたいと思っているので、“それは受けられない”って回答しました」(石田)

 その言やよし。テレビや広告の世界はまだ、共産党万歳と叫んで干された前田武彦の時のようなことをやっているのか。石田さん、今度の参議院選に出てはどうかな。テレビや広告会社は、揉み手をして擦り寄ってくるぞ。

 今週の第1位は文春の記事。三重県伊勢市で起きた同級生殺人は、誰やらの小説にでもありそうな事件である。

 市内の高校に通う3年生の波田泉有(はだみう)さん(18)に「殺してくれ」と頼まれたとして、同級生の男子生徒が自宅から持ってきた包丁で刺し殺したのは、素晴らしいスーパームーンが見られた9月28日の夜だった。

 男子生徒は「(被害者が)かわいそうだからやった。救ってあげようと思った」と供述しているという。

 2人は2年の時クラスメートで、波田さんは相談に乗ってくれる男子生徒Aを「親友」と呼んで、心を開いていたと文春が報じている。

 2人には、それぞれ交際相手がいて「男女の関係ではない」(Aの交際相手の友人)。波田さんには自殺願望が根深くあり「18歳になったら死ぬ」と以前からほのめかしていた。「波田さんの腕にリストカットの痕があったことは、複数の同級生が覚えている」(文春)

 何度か家出をして自殺しようと試みたことがあったそうだ。「自分には生きている価値がない」と話す波田さんに、学校側も心配して医療機関を紹介し、それ以降は普通に学校に通ってきていたという。

 だが、彼女の自殺願望は消えることがなく、「他人に頼まれると、嫌なことでもやってあげる」(小中学校の同級生)ところのあるAに、自分を殺してくれと頼み、Aはそれを実行した。

 精神科医は、彼女が精神的な障害を抱えていたのではないかと指摘している。私の世代では「太宰治症候群」とでも呼びたくなるものがあったのであろうか。

 その医師は、彼女から常日頃、殺してくれと頼まれていたAは「洗脳状態」にあって、それがために実行してしまったのではないかと推測している。

 夕暮れ、2人は虎尾山を上っていった。頂には日露戦争の戦没兵士を慰霊する記念碑が建っている。最近は地元の作家・橋本紡氏が書いた恋愛小説『半分の月がのぼる空』の舞台になったことから「恋愛の聖地」と呼ばれているそうである。

 文春によれば、Aが波田さんの左胸深く包丁を突き立てたのは、午後5時10分頃のことだったという。Aもその後、死を意識した。だが、しばらくして友人にLINEで居場所を伝えた。

「死にきれず、山中で放心状態だったAは当初、波田さんの遺体に誰も近づけようとしなかったという」(文春)

「生を愛するが故に死を恐れる思想は欺瞞であり、生の苦痛を征服し、自殺する勇気をもった新しい人間こそ、自ら神になる」(ドストエフスキー『悪霊』より)

 彼女は神になったのか。18歳で日光の華厳滝に飛び込んで死んだ藤村操は傍らの木に「巌頭之感」を書き残した。20歳で自殺した高野悦子は遺書『二十歳の原点』(新潮社)を残した。波田さんは、何を書き残したのであろうか。
(文=元木昌彦)

最終更新:2015/10/13 21:00
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