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日刊サイゾー トップ > 海外  > 殺人すら厭わない?中国不動産事情
中国“ヤバい”漫画家・孫向文の「チャイナめった斬り」

殺人すら厭わない? 暴力と欺瞞まみれの中国・不動産事情

■不動産価格上昇のデマを流す中国政府

 こうして人々の犠牲の下に築き上げられた中国の建築物ですが、日本でも報じられているように、すでに不動産価格は下落の一途をたどっており、多くの投資家たちが破産に追い込まれています。しかし、国内では情報統制により、この事実は隠ぺいされ、経済評論家たちは、どこをどう判断したらそういう結論が出てくるのかわかりませんが、口をそろえて来年以降、不動産価格は上昇すると予想を立てています。裏で政府が指図していることは明らかであり、多くの中国国民がそのデマに気付き始めています。

 今年8月、香港最大の不動産グループ「長江実業」の会長・李嘉誠氏が、上海に所有していた大型複合施設を約200億人民元(約4,000億円)で売却しました。ほかにも、購入した中国企業の本社を中米のケイマン諸島に移転するなど、今年に入り李氏の「中国離れ」が加速しています。この事実を受け、共産党の機関紙「人民日報」は李氏のグループが中国から撤退したことについて、「モラルを疑う」「信用を失う行為」と激しく非難し、「国内経済には、なんら支障はない」と強がりの記事を掲載しました。ところが、李氏のみならず、すでに国外の著名な投資家たちが続々と中国市場から撤退しているため、識者の間では、バブル崩壊の日は目と鼻の先とウワサされています。

 数年前の土地バブルの際、中国では文字通り雨後のたけのこのように建て売り住宅や高層マンションが建設されました。しかし、多くの人々を犠牲にして乱造された住宅群には価格高騰を理由に入居者が集まらず、ゴーストタウン化している場所は少なくありません。そして現在、国内の経済が危機的な状況にもかかわらず、いまだに中国政府は虚栄と事実隠ぺいのために、開発を推進しています。一見、未来世界のような街並みの中国の都市ですが、僕には人々の苦しみや欺瞞を埋めるための「墓標」に見えてしまうのです。
(構成=亀谷哲弘)

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●そん・こうぶん
中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)がある。
<https://twitter.com/sun_koubun>

最終更新:2016/01/26 13:05
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