お年寄りのライフスタイルをオシャレに紹介する、フリーペーパー「鶴と亀」がすごい
#スズキナオ #勝手にしらべ隊
――撮影していて、印象的だったお年寄りはいますか?
「第1号に、ズボンのチャックを全開にしてるおじいちゃんの写真があるんですけど、その写真が面白いっていうことで『鶴と亀』の認知度がかなり上がったので、そのおじいちゃんは特に印象的でしたね。92~93歳で、そういうスタイルというか、普段からチャック全開らしいんです。写真も、すんなり撮らせてくれました」
「あとは、第4号でも紹介しているんですが、肛門科に来たおじいちゃんが肛門のことを『糞切り包丁の調子が悪い』って言っていて、それは衝撃でしたね。お年寄りは、そういうパンチラインをたくさん持っているので面白いです」
――「糞切り包丁」! すごいフレーズですね。それにしても、これだけ質の高いフリーペーパーで、失礼ですが、採算は取れているんでしょうか?
「東京や地元の長野でフリーペーパーを作ってる人から『やるなら赤字覚悟だよ』って言われていたんで、最初から利益を出そうとかは思っていなかったですね。現在は、地元の企業さんが面白がって広告費を出してくれているおかげで赤字にはなっていなくて、トントンという感じです。黒字ではないですが、面白いことをやれて、すごくありがたいと思っています」
――「鶴と亀」の今後の展開について、何か考えていることはありますか?
「まだまだ試してみたい企画があるので、自分たちの負担にならない程度に続けていきたいですね。今は1万部作っているんですが、おかげさまで設置場所も増えて、冊数が足りなくなっているような感じです。とりあえず、1年に2冊出すのを目標にしているので、そんなペースでやっていきたいです。ほかの地方のお年寄りを撮影して、飯山のお年寄りと比べてみたりしたいですね」
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小林さんによれば、飯山は四季が非常にはっきりしていて、夏は暑く、冬は豪雪が降るという「厳しい場所」だという。そんな土地柄だからこそ、タフでワイルドに自分のスタイルを貫くお年寄りが多いのかもしれない。そんなお年寄りの魅力をスタイリッシュに伝えてくれる「鶴と亀」を、今後も応援していきたい!
(文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/)
●「鶴と亀」
<http://www.fp-tsurutokame.com/>
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