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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 赤江珠緒が12年間愛されたわけ
週刊!タレント解体新書 第34回

赤江珠緒は12年間、毎朝何を思っていたのか? テレ朝『モーニングバード』(9月25日放送)を徹底検証!

<「伝える」という行為そのものへの信念>

 彼女はこの12年間、さまざまなニュースと出会ってきた。もちろん、いいニュースばかりではない。素直な感情と、そして対象に真摯に向き合う赤江珠緒であるからこそ、悲しいニュースに対して深く傷つくことも一度や二度ではなかったはずだ。それでも彼女は、12年間、テレビの前の視聴者に対して「伝える」という仕事を続けてきた。それは間違いなく、信念がなければできないことだろう。

『モーニングバード』の最終回で、赤江珠緒は視聴者に向けて最後に感謝の気持ちを述べた。少し長くなるが、引用させていただきたい。

「本当にあの、いろいろと至らない点もあった司会者だと思いますが。毎朝毎朝ですね、全国津々浦々の皆さんにですね、『おはようございます』と挨拶できる仕事を、12年間もやらせていただけたことは本当に幸せでした。皆さんの朝が、これからも明るくて、そして素敵なものになりますように、お祈りしています。本当に、本当に、ありがとうございました!」

 この素晴らしい言葉に、赤江珠緒の信念と、そして彼女の魅力がそのまま詰まっている。「おはようございます」と挨拶できる仕事。赤江珠緒は12年間、毎朝そう思って視聴者と向き合ってきたのだった。彼女が朝の顔でなくなってしまうのは、やはり寂しい。だが赤江珠緒の思いと信念は、きっとこれからも、後へ続く者へと伝わっていくのだろう。

【検証結果】
 最後の挨拶が終わってからも、赤江珠緒は笑っていた。これでもかというほどの涙を瞳にたたえてはいたが、それでも笑顔を崩すことなく、最後までえくぼを見せていた。涙を拭くことは一度もなく、俯いたり顔をそむけたりもせず、視聴者に笑いかけていた。人は泣いていても、笑うことができる。それはおそらく赤江珠緒が、12年間もの間ニュースと向き合うことで知った、素晴らしい真実であるに違いない。
(文=相沢直)

●あいざわ・すなお
1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。
Twitterアカウントは @aizawaaa

最終更新:2015/09/25 18:12
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