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生活苦、虐待、孤独の三重苦で日本より過酷? “高齢者にも優しくない”韓国の現状

 また、高齢者に対する虐待もある。中央老人保護専門機関によれば、身体的・精神的・性的に暴行したり、経済的な搾取や放置などの虐待行為に関する申告件数は、09年に2,675件だったが、13年には3,520件にまで増加している。加害者は息子45%、娘14%、配偶者12%、嫁7% と、80%近くが身内からの虐待であるというショッキングな結果が出ている。

 そんな韓国でとりわけ急速に増えているのが、一人暮らし世帯の高齢者だ。00年に54万人だった60歳以上の一人暮らしは、13年時点で125万人に増えており、35年には343万人に達する見通しだとされている。それに伴い、当然、孤独死する高齢者たちも増えている。とある市民団体の調査によると、昨年1年間で600~700人が孤独死したといわれているのだ。

 それどころか、高齢者の自殺率も高まるばかり。もともと韓国はOECD加盟国の中でも10 万人当たりの自殺率が最も高いことで知られているが、その件数はここ4年で2倍に増え、80.3人に達した。前述した事例でもわかる通り、生活苦や虐待、孤独さを理由に命を絶ってしまう高齢者たちが後を絶たないのだ。

 ちなみに、特に旧正月や秋夕(中秋節)の時期になると、一人暮らしの高齢者の自殺が増えるという。テレビや新聞で家族の帰省ラッシュが報じられ、近所でも家族団らんの光景が多く見られるこの頃、一人暮らしの高齢者たちはいつも以上に孤独を痛感し、生きる気力を失い、自らの命を絶ってしまうという。韓国では9月26日から秋夕の時期を迎え、大型連休に突入するだけに心配だ。

最終更新:2016/01/26 18:17
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