欧米各国に“難民ラッシュ”の一方……北朝鮮の“難民船”が日本に来ないワケ
2015/09/17 21:00
#北朝鮮 #東アジアニュース
しっかりした造りの、北朝鮮の監視小屋
当初は中国側が鉄条網を設置し、川への侵入を禁止した。これに対抗して、北朝鮮側も鉄条網を設置。中国側は、さらに鉄条網を……と、結果的には2重3重の鉄条網が設置され、物理的に脱北が遮断されているという。
最近は、北朝鮮側の国境警備隊詰め所の改築が進み、目立つように水色のペンキで塗装されているのが確認できる。「かつては、ある程度カネ(賄賂)を積めば川を渡らせてくれた国境警備隊も、正恩氏の命令で引き締められている」(前述の事情通)と、監視の目も厳重になっているようだ。
また、「海岸線沿いにも電気柵が敷設された。元帥(正恩氏)は『海からの脱北も許すな』と命じた」とは、北朝鮮から中国にやってきた商売人の証言だ。漁業活動は許可された漁師のみで、欧州の難民船のように船に乗っての脱北はかなり厳しい状況らしい。背景には今年初旬から北朝鮮の漁船が遭難し、韓国の海洋警察に救出されるケースが続発。一部漁師が韓国に亡命を求めたという事象があるようだ。
わりと暇そうな国境警備隊
とにもかくにも難民船は来ていないが、北朝鮮は昨年から続く水不足で農業に大打撃を受けているという情報もある。拉致被害者の多くが北に閉じ込められたままの現状で、90年代の飢餓の再来が懸念される。
(文・写真=金正太郎)
最終更新:2016/01/26 18:20
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