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週刊誌スクープ大賞

週刊ポスト「少年A実名公開」に、元名物編集長は何を思う?

 今週の第1位は、現代のマイナンバーの記事。

 私には安倍政権に腹の立つことがまた増えた。消費税を10%に引き上げた場合、酒を除いた食料品を購入したら2%分を後で返すという案のことである。上限年間4,000円というのも腹が立つが、いちいちレジで払う際、マイナンバーカードを出さなくてはいけないというのは、マイナンバーが普及しないことを想定している役人のサル知恵である。

 スーパーなどはそのための設備をしなくてはならないし、消費者はレジでの面倒が増えるだけである。こんなふざけたことを考えずに、「アベノミクスは失敗したから、10%引き上げは断念する」といえばいいのだ。安倍さん、そうじゃないか?

 ともあれ、現代の記事を見てみよう。財務省がぶち上げたプランはこうだ。

「予定では17年4月、消費税が現在の8%から10%に上る。それ以降、スーパーマーケットで食料品を買ったり、ファミリーレストランで食事をとったりすると、国民ひとりひとりに『軽減ポイント』が与えられる。軽減税率の対象となる飲食料品は、消費税が8%に据え置かれ、10%-8% = 2%分がポイントとして返ってくるのだ。ポイントは、マイナンバーが記された『個人番号カード』をレジの端末で読み取って記録する。つまりはよくある『ポイントカード』を国家規模でやろうというわけだ。ポイントは一人当たり年額4,000円分までためられるが、すぐに手元に還付されるわけではない。たまった分を後から申告し、税務署に認められると、ようやく銀行口座に振り込まれる。こう説明すると『なんだ、思ったより簡単ではないか』と思うかもしれない。確かに、あらゆる食料品について、軽減税率を適用するかどうかを『これはOK、これはNG』などとひとつずつ決めてゆくよりはずっとシンプルだろう。しかし、一連の流れを順に見てゆけば、この仕組みは穴だらけの代物だとわかる」(現代)

 税理士の青木丈氏もこう言う。

「マイナンバーはみだりに他人に教えたり、人目に触れたりしないよう、慎重に扱わなければなりません。個人番号カードにはマイナンバーのほかに住所・氏名・生年月日など、個人情報も満載されている。

 人前で頻繁に取り出せば、当然、紛失する危険も大きくなります。

 また本来、マイナンバーの個人番号カードは希望者のみ交付されます。麻生財務大臣は『カードを持ちたくなければ持って行かなくていい。その分の減税はないだけだ』と言いますが、最初から4,000円を定額で全国民に支給するほうが、はるかに合理的で公平です」

 1,500億円の税金をかけてまったく浸透しなかった「住基ネット」の轍は踏めないと財務省はわかっているから、マイナンバーを国民に周知する上で「カネがもらえる」という餌を与えることを考えついたのであろうが、先ほど言ったように「サル知恵」で、浅はかで、国民をバカにしている。

 別の内閣府官僚もこう漏らす。

「カードとサーバーの両方にポイントのデータを保存する仕組みだと、実現は厳しいと思います。JRの『Suica』をチャージするときと似た仕組みになるので、カード自体の記憶容量が足りなくなるかもしれず、データの処理に時間もかかる。それに、処理中に間違ってポイントが消えたら、その場でお金を返すわけにもいかないので、どうしようもありません」

 さらに、大きな約束違反がある。財務省のプランでは「マイナンバーが個人の銀行口座と一対一でひも付けられている」ことが、いつの間にか大前提になっているのである。そうでなければ消費税の還付が受けられないからだが、つい先日まで内閣は、マイナンバーを本格的に銀行口座と連動させるのは18年度以降、ひも付けするかどうかは、当面は任意性だと説明してきたではないか。これが事実上ひっくり返されることになるのだ。

「新たな政府発表では『レジの端末では、マイナンバーをはじめ、個人の特定につながるような名前・住所・生年月日などは読み取らない』という。しかし、そもそも買い物の内訳と個人情報や口座の情報を突き合わせなければ、還付金の計算も支払いもできないのだから、いかにも適当な『建て前』としか聞こえない」(同)

 こんなものを拙速に普及させてはいけないし、普及するはずはない。こんなセキュリティの甘いシステムでやれば、必ず深刻な情報漏洩が起こることは100%間違いない。即刻、やめるべきである。

最終更新:2015/09/24 16:46
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