色眼鏡を取り除く“反原発抗議行動”ドキュメンタリー『首相官邸の前で』
2015/09/14 17:00
#映画
そんな彼らの行動に思いを巡らせているうちに、六本木ヒルズ粉砕を掲げてクリスマスの六本木ヒルズを混乱に陥れたり、新宿の駅前で鍋を囲むことを「闘争」だと称して日々活動していた頃の、懐かしい記憶が走馬灯のように甦ってきた。
そうしてあらためて考えた。筆者の生業はルポライターである。野良犬のごとき直感と若々しい感性で行動して思考する生き物である。しかし、筆者は彼らのネガティブな側面、すなわち「護憲」や「民主主義」を旗印に掲げる主張の甘さや、警察権力との対峙よりも「場の維持」を重視しているといったことばかりに耳を傾け、彼らの生の声を聞く機会を逸していた……。
この『首相官邸の前で』は、上映後にゲストや観客同士が映画の内容などについて話し合う、トークシェアという時間を設けている。本編とトークシェアの体験を経て、私を取り巻く偏見という色眼鏡を確かに取り外してくれたのであった。
(取材・文=昼間たかし)
『首相官邸の前で』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/kanteimae/
渋谷アップリンクにて、9月19日(土)より連日10:30トークシェア上映
隔週水曜20:00の回はゲストを交えたトークシェア上映
『子どもは風をえがく』公式サイト
http://www.kazeoegaku.com
ラピュタ阿佐ヶ谷他にて、10月4日(日)より連日上映
最終更新:2015/09/14 17:10
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