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『バンギャルちゃんの挑戦』出版記念

おっかけは大いなる才能の無駄遣い!? “バンギャルちゃん”蟹めんまに聞く「おっかける」人たちの生態

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 ビジュアル系バンドを偏愛する“バンギャルちゃん”の知られざる生態を描いた『バンギャルちゃんの日常』(KADOKAWA)。このたび、作者である蟹めんま氏がビジュアル系以外の“現場”でおっかけの生態をルポする『バンギャルちゃんの挑戦』(同)が刊行され、話題となっている。ファンたちの特徴、おっかけルール、そしてジャンルへの深くまっすぐな愛――「何かにハマった人たち」の不器用なまでの生きざまを受け止め、取材だけのつもりが作者自らズブズブと沼にハマっていく様子がまたリアル。おっかけとは何かを、蟹めんまが語り尽くす!

――こちらの本には、さまざまなジャンルの「おっかけ」が登場します。そもそも「おっかけ」とは、どういう人たちを指すのでしょう?

蟹めんま(以下、めんま) 私はジャンルを問わず「何かに熱狂的にハマってる人」を、ざっくりまとめてこう呼んでいます。「おっかけ」というと、タレントをあちこちおっかけて日本各地を飛び回ってる人々を想像する人が多いと思うので、ちょっと語弊があるんですけど、一番わかりやすい表現なので、あえて使っています。

――取材した方々とは、どのようにお知り合いになったんですか?

めんま 「ビジュアル系以外のおっかけ本を描くんだけど、どうしよう?」と友人に相談したら「うちのジャンルに来い」と勧誘を受けたりして、調べに行く感じですね。ただ、いざ取材に行くと、深くハマってる人ほど、自分のことを「私なんて、まだまだにわかファンですよ」みたいに謙遜するんですよ。ハマってる人ほど、軽々しくファンを名乗っちゃいけないと思っているみたいですね。現場に何度も通って顔見知りも少しずつできていく中で、自分より明らかに熱狂している人の存在を知るようになると「こんな人たちもいるのに、自分がファンを名乗ってはいけないんじゃないか?」と考えるのかもしれません。気持ちは、よくわかります。

――取材をされる中で気づいた、「おっかける」人たちの共通点は何かありますか?

めんま フットワークの軽さですかね。「あなたのおっかけている○○について教えてほしいんだけど、都合のいい日ある?」って聞くと「今晩でオッケーです」っていう返答が多すぎて驚きました。あと、勉強熱心な人が多いですね。例えば、韓国アイドルにハマったら「自分も韓国語をやってみよう」となったり。

――文化まるごと知りたくなると。

めんま 好きなアイドルの子たちが出てるバラエティ番組に日本語訳もついてるんですけど、「本当にそういう意味なのか」「もっと面白いことを言ってるんじゃないか」って勘繰ってしまうんです。

――結構しゃべってるのに、日本語訳を見ると「はい、頑張ります」だけだったり。

めんま そう! 訳だと細かいニュアンスまでわからないので……。それがわかれば、もっと推しメンの魅力がわかるのでは!? と思ってしまうんです。誤解を恐れずにいえば、ハマる気質の人って、大いなる“才能の無駄遣い”をしてると思う。そういう語学の勉強以外にも、制作費をもらえるわけでないのにファンサイトをコツコツ作っていたり、ライブレポを書いてたり。そういう人たちのアツさや、必死さが面白いと思って漫画を描きました。

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