『24時間テレビ』舞台裏で井ノ原快彦はやっぱりすごかった NHK『あさイチ』(8月28日放送)を徹底検証!
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画面に映らないところで、のこの気遣い。それだけで感動的だ。井ノ原快彦はそのメッセージを受けて、ハンカチを取り出しながら「今日も何かあったら。いつでもスタンバイしてるから」と羽生選手に声をかける。イノッチのファンでなくても、すでにここでメロメロだろう。だが、井ノ原快彦が本当にすごいのは、このあとの言葉だ。羽生選手にハンカチを渡したときの状況を、こんな言葉で説明する。
「すごい汗かいて、らっしゃって。『うわあ、汗が汗が』って、一人で言ってらっしゃったんで。『あ、良かったら使う?』って」
この言葉の選び方の丁寧さ、その気遣いが、まさに井ノ原快彦なのだ。羽生選手と直接話すときは「(ハンカチを)いつでもスタンバイしてるから」「あ、良かったら使う?」といった形で、敬語ではない。年齢もかなり上だということもあるし、番組出演においては大先輩だから、羽生選手がリラックスできるようお兄さん的な言葉を使っている。
でありながら、そのことを有働アナであり視聴者に説明する際は、「すごい汗かいて、らっしゃって」「一人で言ってらっしゃったんで」と敬語を使う。この発言の際、実は「すごい汗かいて」と「らっしゃって」の間に、一瞬だけ間があいている。それはつまり、井ノ原快彦が意識してここで敬語を使っていることを証明している。明らかに、羽生結弦選手を一人の人間としてリスペクトして、そこに見合う言葉を選んでいるのだ。
井ノ原快彦は、誰のこともカテゴライズしない。一人一人のことを、個人として見つめ、それにふさわしい態度を取り続ける。私たち視聴者が『あさイチ』の井ノ原快彦を見るとき、どこか安心し、どこか救われたような気分になるのはそのためだ。自分はほかの誰かではない。カテゴライズされる義務などない。井ノ原快彦は今日もそのことを、優しい笑顔で伝えている。
【検証結果】
井ノ原快彦は『24時間テレビ』の放送翌日も、元気な姿で『あさイチ』に出演した。スタジオに遊びに来たというスタッフの子どもが「イノッチ お疲れさま」というカンペを掲げる。それは、『あさイチ』の視聴者の誰もが思っている言葉を代弁していた。そして井ノ原快彦は、笑顔でピースサインをする。その笑顔は、誰もをほっとさせる、イノッチらしい素敵な笑顔だった。
(文=相沢直)
●あいざわ・すなお
1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。
Twitterアカウントは @aizawaaa
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