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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 不倫SNS情報漏えいで自殺者まで
ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第80回

不倫SNSハッキングで自殺者まで! すべてのウェブサービスは情報漏えいの可能性あり!

am.jpgアシュレイ・マディソン

「アシュレイ・マディソン」の顧客3,200万人分の情報が流出した。これに関連し、カナダで2人が自殺。サイトの運営者は50万カナダドル(約4,500万円)の賞金を提供し、犯人を追い立てている。

 こんなに大事になったのは、このサイトが「不倫出会い系サイト」だから。既婚者が不倫をして人生を楽しもう、というウェブサービスなのだ。男性は有料だが、女性は無料で利用できる。全世界で約4,000万人が利用し、日本人のユーザーも180万人に上るという。


 名前とメルアド、電話番号、クレジットカードの請求先をはじめ、身長、体重、プロファイルまで、「家庭が退屈で刺激を求めている人募集」とか「私を呼んでくれたら裸で出ていくわ」といったメッセージまで漏えいしている。さらに、この漏えいデータを手に入れた輩が、その人を脅迫する事件も起きている。「お前が不倫しているデータを、友人や会社にばらまかれたくなければ金を払え」というもの。

 ネットを使うすべてのユーザーが、絶対に肝に銘じておかなければならないことがある。それは、ウェブサービスはどんな企業が運用するものであれ、情報漏えいが起きる可能性はあるということ。「起きる可能性がある」というとやんわり聞こえるが、実際のところ「長く運用していれば、だいたいやらかす」というレベル。これは超大手でも政府系でも同じことだ。

 IDとパスワードでサインインするタイプのウェブサービスを利用する際は、漏えいを前提として利用すること。不倫出会い系サイトを使うなら、専用に取得した無料メルアドと偽名を使うくらいは基本だ。IPアドレスの記録も避けたいなら、自宅やオフィス、自分の携帯電話からもアクセスしてはいけない。

 今回流出した情報の中には、アメリカでは軍関係者(.mil)や政府関係者(.gov)が1万5,000人もいた。驚くべきは、仕事のアカウントで登録している点。使っているのをバレたくないウェブサービスを利用する際は、面倒でも無料メルアドを取得しよう。メインのアドレスを使っていると、万一の時に取り返しがつかない。心当たりがある人は、時間を見つけて、やばいウェブサービスの退会処理をまとめて行うことをお勧めする。
(文=柳谷智宣)

最終更新:2015/09/10 11:55
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