戦勝式典控え、中国テレビ局にバラエティ禁止令! 抗日ドラマ三昧は「主演・習近平だから仕方ない」!?
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抗日戦勝70周年の記念式典が開かれる9月3日を間近に控え、国家新聞出版広電総局は全国の主要テレビ局に対し、9月1~5日までの5日間、バラエティ色の強い番組の放送を停止するよう通達を出した。8月19日に「中国日報」など各紙が一斉に報じた。
禁止される番組には、青春ドラマや時代劇も含まれる。テレビ局は代わりに、抗日戦争に関するドキュメンタリーや抗日ドラマ、抗日映画を放映しなければならない。これに対して異を唱えることはこの国では不可能だが、人民からは「中国はいったい戦勝国なのか、敗戦国なのか」「これでは北朝鮮と同じだ」「喜ばしい日であるにもかかわらずバラエティが禁止されるとは、喪に服すようなものだ」といった不満が噴出している。中には「9月3日は、皇帝(習近平)が主演を務めるんだ。バラエティ番組がその活躍を奪うのは当然ダメでしょ」と皮肉を言う者もいた。抗日ドラマは、特に若者から飽きられてきているのだ。
またネット掲示板では「なぜ中国では、日本のようなアニメや漫画が存在しないのだろう?」という書き込みに対し、「中国のテレビをつけてみればわかるさ。10のチャンネルを回したら、6つは抗日ドラマを放映している。これでクリエイティビティが養われると思う?」と、鋭い回答も。
抗日ドラマの若者離れは、数字にも表れている。浙江衛視と安徽衛視では25日から抗日ドラマ『鉄在焼』を放送。このドラマの「微博」(中国版Twitter)の公式アカウントは、開設から10カ月がたつのに、フォロワーはわずか1,100人ちょっとしかいない。人気ドラマは10万人を超えることもザラなので、いかに注目度が低いかがわかる。もっとも、共産党もそれをわかっているのだろう。バラエティ番組の禁止は、何も記念日を祝おうというためではなく、危機感の表れなのだ。
(取材・文=中山介石)
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