もしも戦隊モノに出てくる戦闘員が、サラリーマンだったら……究極の社畜マンガ『ガングリオン』
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
ベルベたちは毎回、ホープマンにボコボコにされるとわかっていても仕事をしなきゃいけないし、悪役なので家族は肩身が狭い……。これほどのブラック職種が、ほかにあるでしょうか? そんなブラックぶりを象徴するような数々のセリフがまたサラリーマンの哀愁を誘います。
「一晩寝ても疲れがとれへんし、ベルベなんていつまでもできる仕事やないなぁ」
「磯辺、お前も健康診断受けたほうがいいぞ、健康第一! 戦闘員は体が資本だからな」
「ベルベは生命保険に入れないんです。危険職種だから生命保険にも入れない危険な仕事なんです」
「ベルベ軍団の家族がどんな気持ちでベルベを作戦に送り出すか…今日もきっとまた殴られて帰ってくる そう思いながらも心配させないように笑顔を作って…そんな気持ち、あなたに分かりますか?」
おまけに、ガングリオンの上層部もいろいろと問題があるようです。そもそも上司が怪人なわけですから、その時点で根本的に問題があるんですけど。インターン入社の戦闘員とベテランの戦闘員の会話をお聞きください。
「自分、将来何目指してんの?」
「ここだったらやっぱ怪人ですかね。アルマジロ将軍とかけっこうシブイっす」
「怪人か…けっこう厳しいで…派閥争いとかドロドロだよ!」
派閥争いでドロドロ!? まあ怪人だけに、ドロドロしてなんぼっていうところはあるんでしょうけど。人間関係がギスギスしてるのって、嫌ですよね。人間関係っていうか、怪人関係ですけど。
さらに世間は狭くて、ホープマンの彼女が実は磯辺の妻の妹だったり、上司のシャドー大佐が左遷されたのでお中元贈るのをやめたりとか……。普通のヒーローモノでは決してお目にかかることのないサラリーマンの哀愁や、人間くさい部分が魅力のマンガとなっています。
ちなみにご紹介した株式会社ガングリオンですが、さんざんブラック企業だなんだと書きましたが、不況の折に300人も新規採用をするなど、儲かっている会社なのも事実です。
世界征服部門以外にも不動産部門や武器販売部門など多角経営もしていますし、体力に自信があって転職を考えている方なら、受けてみる価値があるかもしれません(出世したら怪人になっちゃいますけど)。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)
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