“大成功”報道だった長渕剛の富士ライブ、実際は……倒れた観客に「退場はシャトルバスのみです」
#長渕剛
そして終演後、リストバンドのカナ順に退場させる規制がアナウンスされると、場内は騒然。「ア行」の客は終了直後から退場が許されたが、「カ行」は9時、「サ行」は11時30分、ほかは13時からとなっており、後者になると終了時点から最短でも炎天下の中を6時間半も待つことを覚悟しなければならず、あらかじめ早めに退路に就いた者でもリストバンド順を強いられ、バスに乗せてもらえなかった。
次第に怒号が響き、場内スタッフに猛抗議する者が続出。この押し問答で出口が塞がれ、なお退場は遅れることになり、順序の優遇されているリストバンド「イ」の客でも1時間半~2時間ほど待たされていた。
ライブ後の場内はゴミの散乱がひどく、一部ファンが声を掛け合って自らゴミ拾いを始めたが、その真横をイベントスタッフたちが手伝いもせず続々と専用バスに乗り込み撤収したことで、「客に仕事させて置いていくな!」と罵声が飛んだ。そんな中、体調不良で倒れる者が相次いだが、到着した救急車はごく少数で、若い女性が顔面蒼白で「40分待っても救急車が来ないので、タクシーを呼んでもいいですか?」とスタッフに懇願。しかし、「シャトルバスのみです」と冷たく断られていた。そのバスの運行もさらなる遅れから、終了後10時間経過しても乗れない人々が列をなした。
ただでさえアクセスが悪く、バス乗り場まで1キロ以上も歩かなくてはいけない中、帰宅者用に残されていた仮設トイレも16のうち半数が途中で使用不能となる事態があり、こちらも行列に。
報道では「ソロ歌手の1公演あたりの動員数として史上最多記録を達成した」とあるが、現場では「どう見ても、その半分もいない」とスポーツ紙記者。それでも、そんな本音やこうしたイベントトラブルの真実は伝えなかった。
「長渕は厳しいことを書くと、取材を受けてくれなくなるからね。正直、ライブの出来としては演出が過去の使い回しも多く、歌詞を覚えていないのか真下のモニターを見てばかりだったところはガッカリでしたけど」(同)
シャトルバスの大群は停車中から会場周辺の道路を占拠していたため、これを避けて狭い山道を通った一般ドライバーは「枝が車体にぶつかって傷だらけになった」と嘆き、富士付近のゴルフ場ではこの渋滞に巻き込まれて、プレイ開始までにたどり着けない被害もあった。これだけのトラブル続発はある意味“伝説”だが、長渕と同じ髪形にして来場した熱狂的ファン男性に話を聞くと「こんな破天荒なことをやるのは剛だけだ!」と自慢げに答えていた。
(文=藤堂香貴)
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