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日刊サイゾー トップ > 海外  > 韓国人売春婦の哀しき承認欲求

「あと200ウォンでついに1億ウォン!」SNS上で預金残高を公開した韓国人売春婦の“笑えない”承認欲求

 オピ女は、高校を卒業したのちに地元のゴルフ場に就職。幼いころに父親が蒸発し、身体障害を抱えた妹を養いながら母親とともに暮らしていたという。高卒のキャディーの給料は、事情のある母子家庭を支えるには十分とは言い難かった。またオピ女は、同世代の韓国人女性たちがそうするように、整形手術を何度か受けた。もちろん、雀の涙のような給料で費用を賄いきれるわけがない。やがて消費者金融に手を出し、払えなくなると売春を始めたのだという。家計の苦しさと、キレイになりたいという些細な夢が、オピ女を売春へと向かわせたのだった。

 オピ女は、容姿も美しくスタイルも抜群で、勤めていた店舗ではどこでも看板娘として働いたそうだ。2年7カ月の間に売春した数は約1,900回。金額にして2億ウォンを稼いだ。オピ女は、自身が売春で稼いだお金を、母親が居酒屋をオープンさせるための資金に使った。9,800万ウォンというアップされた金額は、それを差し引いて余った金額だった。

 この一連の騒動は、韓国文化人の関心も集めた。

 例えば、延世大学のファン・サンミン心理学教授は「(売春生活が)6カ月を越えると日常になる。彼女もきっと、一生懸命働いているという感覚だったのでしょう。そんな自分を誰かに知ってほしかったのでは」とコメントしている。一部には「違法とはいえ、この国の世論は売春に厳しすぎる」と、オピ女に同情、擁護を示すメディアも散見される。

 警察での最後の取り調べで、オピ女は次のように話したという。

「悪魔のささやきを振り払えなかった。稼いだお金すべてと引き換えにしてでも高校卒業当時に戻りたい。もし生まれ変われたら、母親を手伝いながら平凡に生活したい。そして、普通に男性と出会って結婚もしてみたい」

 日本では“バカッター”などをはじめ、ネット承認欲求が笑いの種になることが多い。が、今回起きた騒動は、韓国社会の歪みを凝縮したような女性の境遇と、その寂しさが発端となっているだけに、とても複雑な気持ちにさせられる。
(取材・文=河鐘基)

最終更新:2016/01/27 18:20
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