犯罪発生率の増加も食料問題もこれで全て解消!? 鬼畜監督が考えたベストアンサー『ムカデ人間3』
#映画 #インタビュー
──『ムカデ人間』シリーズは、観た人の100人中99人が吐き気を催すけれど、残りの1人は生きる勇気を感じるカルトな作品。これからも、このような作品スタイルを貫く?
トム もちろん! 僕にとって「吐き気がする」という言葉はスタンディングオベーションと同じ意味なんだ(笑)。僕の映画を観て本当に吐いた人がいれば、それは僕にとって最高の歓びだよ。まぁ、『ムカデ人間3』はコメディ要素も強いと僕自身は思っているので、単なるホラー映画ではなく、ホラーコメディとして楽しんでくれれば、すごくうれしいよ。それに僕の映画はこれまで誰も見たことのない世界を描いているから、今まで体験したことのない感覚や喜びを感じることができるはず。僕の映画を観て、生きる希望を感じる人もいるかもしれないね。逆に僕の映画を観て、不快に感じたり、怒りを覚える人も少なくないと思う。実際、『ムカデ人間3』は米国を直接的に皮肉っていることから、ニューヨークタイムズといったメジャーなメディアでは酷評された。でも、僕は自分の名前さえ間違っていなければ、映画評で何を書かれても全然かまわないんだ。それに、『ムカデ人間』シリーズを観て強い怒りや不快感を覚えたという人は、僕が風刺した社会そのものに怒りや不満を感じている人なんじゃないかな。「サイコー!」もしくは「サイアク!」、両極端な評価のある作品をこれからも撮り
続けるよ。僕にとっては「平凡」という言葉がいちばんの酷評なんだ(笑)。
(取材・文=長野辰次)
『ムカデ人間3』
監督・脚本/トム・シックス 製作/イローナ・シックス 出演/ディーター・ラーザー、ローレンス・R・ハーヴェィ、エリック・ロバーツ、北村昭博、ブリー・オルソン、ロバート・ラサ、トミー・タイリー・リスター、トム・シックス 配給/トランスフォーマー R18+ 8月22日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
(c)2014 SIX ENTERTAINMENT COMPANY http://mukade-ningen.com
●トム・シックス
1973年オランダ生まれ。オランダのテレビ業界からキャリアをスタート。2001年に妹のイローナ・シックスと映画制作会社シックス・エンターテイメントを設立。オランダで初めてのゲイ映画『Gay』(03)を製作、一般劇場で公開し、物議を醸す。2009年に製作した『ムカデ人間』は世界中で大反響を呼んだものの、劇場公開されたのは日本も含めてわずか4カ国だけだった。『ムカデ人間2』は日本と大幅なカットを余儀なくされた英国と米国の3カ国だけの劇場公開に。次回作『オナニア・クラブ』を現在準備中。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事