犯罪発生率の増加も食料問題もこれで全て解消!? 鬼畜監督が考えたベストアンサー『ムカデ人間3』
#映画 #インタビュー
──バーホーベン監督も、トム監督と同じオランダ出身じゃないですか。
トム そうだね。でも日本人だって、そうとう変態じゃないか。僕から見ても、三池崇史はとてもクレイジーな監督だと思う。それと僕がいちばん好きな日本の監督、えぇと名前が言いにくい……、塚本晋也! 彼の作品もすごく変態チックじゃないか。
──確かにそうですね。トム監督の場合はみずから変態であることを認められたわけですが、どのような環境で育ったんでしょうか。少年時代について教えてください。
トム OK! 僕はいわば、幸せな少年時代の犠牲者なんだ。僕の両親はとてもいい人で、僕は大切に育てられた。そしてそんな恵まれた環境の中で、僕は逆に幸せに対して怒りを覚えながら育ったんだ。物心が付くようになってから、ビデオレンタルで気味の悪い映画を借りてきて観るようになった。例えば、パゾリーニの『ソドムの市』(75)とかだね。それが、やがてホラー映画への興味へと繋がり、狂った物語にしか僕は興味が持てなくなってしまったんだ。それが今の僕に至る道だというわけさ(笑)。自分が“変態”だと自覚できたときは、とてもハッピーだったよ。完全なる幸せを感じることができた(笑)。人生そのものが悪いジョークみたいなものだし、逆にいえば人生をジョークとして捉えてもいいんじゃないかと考えるようになった。朝9時から夕方5時まで働くような型にハマった仕事は、自分には向かないと気づくこともできたんだ。
──妹のイローナ・シックスさんは美人プロデューサーと評判ですが、イローナさんも一緒にホラー映画を観ていたわけですか?
トム そうだよ。彼女は僕より6歳下。彼女がとても幼いときから、僕が彼女の嗜好性を決めてしまったようなものだね(笑)。たくさんのホラー映画を観せられ、最初は彼女は泣き続けていたんだけど、ある時点から彼女もホラー映画を好きだと思うようになったんだ。僕の嗜好性を彼女も受け入れたんだ。まぁ、兄妹で同じ遺伝子を受け継いでいるわけだしね。そういうふうに考えると僕の両親もある意味ではクレイジーな一面も持っていたな。世代が違うから、僕と違ってもっと落ち着いたものではあるけどね。やがて僕は映画を撮るようになり、イローナがプロデューサーとして映画の予算を管理してくれるようになったんだ。
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