犯罪発生率の増加も食料問題もこれで全て解消!? 鬼畜監督が考えたベストアンサー『ムカデ人間3』
#映画 #インタビュー
■天才と呼ばれる人間はみんな変態である
──『ムカデ人間』でクレイジードクターを演じたドイツの怪優ディーター・ラーザーが再び主演。『ムカデ人間2』では脚本内容をめぐってトム監督とケンカになり、『ムカデ人間2』を降板したというネットニュースを見かけましたが、関係を修復できたようですね。とはいえ、刑務所内で独裁者として振る舞う所長役のディーターと本人役で出演したトム監督の間にはリアルな不穏さが感じられましたが……。
トム それは誤解だ。ディーターとは確かにケンカしたが、それは『ムカデ人間2』ではなく、『ムカデ人間3』のクランクイン前だったんだ。僕が書いた台本を彼に渡したところ、彼は最初はすごく喜んで「やりたい」と言っていた。ところが撮影に入る直前になって、「このままの内容では演じることができない」と脚本の変更を要求してきたんだ。彼自身なのか彼の事務所なのかは定かじゃないけれど、内容の過激さに怖じ気づいてしまったようだね。撮影直前だったから僕も怒ってしまい、それで諍いになってしまった。「この脚本でやるべきだ」と必死に説明したところ、ようやく彼は納得してくれたんだ。撮影現場に立つということは勇気を振るわなくちゃいけないということを自覚してくれたんだ。それ以降は僕と彼は良好な関係を保ち、いい友人になれたよ。今回、彼が演じた所長ビル・ボスは映画『ムカデ人間』が大嫌いで、それを撮った監督のトム・シックスのことも嫌っているという設定だったんだけど、彼はとてもリアルに演じてくれたよ(笑)。
──撮影直前のケンカが役づくりにいい影響を与えたわけですね。ディーター演じる性悪所長が囚人たちの暴動に遭い、デスレイプ(あまりにもインモラルすぎるプレイで説明不可能)されるシーンは強烈です。どうすれば、デスレイプみたいなサディスティックなプレイを思い付くんですか?
トム 僕のイマジネーション能力はほとんど病気、いや超能力のレベルに達していると言ってもいいかもしれない。デスレイプ以外にも、まだまだ映像化していないアイデアは豊富にあるんだ。でも、実生活では試そうとは思わないよ。現実世界の僕は小さなネズミ一匹も傷つけることができない。そんな僕だけど、想像の世界では何でもできちゃうし、それを止めることは誰にもできないんだ。
──とてもストレートな言葉でお尋ねします。トム・シックス監督、あなたは変態ですか?
トム YES! 僕は変態です(笑)。そして、そのことを誇りに感じているよ。
──欧州にはラース・フォン・トリアー、ミヒャエル・ハネケほか変態的な作風で知られる映画監督が多いですね。ある意味、クリエイターはみんな変態なのでしょうか?
トム YES! そうだと思うよ。天才と呼ばれる人間はみんな間違いなく変態だよ。まぁ、僕を上回る変態はそうそういないと思うけど、ピエル・パオロ・パゾリーニは本当にクレイジーな監督だったよね。現役の監督でいえば、ポール・バーホーベンだな。ハリウッドで撮った『ロボコップ』(87)や『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)はかなりおかしな作品だっただろ?
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