犯罪発生率の増加も食料問題もこれで全て解消!? 鬼畜監督が考えたベストアンサー『ムカデ人間3』
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ひとりぼっちはイヤ、誰かと繋がっていないと不安……。そんな現代人にぴったりなスカトロ版“人類補完計画”が『ムカデ人間』シリーズだ。頭のおかしな外科医によって拉致された3人の男女が肛門と口を縫合され、数珠繋ぎ状態のムカデ人間にされるという衝撃的なホラー映画『ムカデ人間』(09)は世界各国で上映禁止になるほどの騒ぎとなった。続く『ムカデ人間2』(11)は前作『ムカデ人間』を観たオタクが模倣事件を引き起こすという、さらに悪趣味なストーリーに。そして、いよいよ『ムカデ人間3』でシリーズが大団円を迎えることになった。
第1作は3人、第2作は12人編成のムカデ人間だったが、シリーズ完結編『ムカデ人間3』は何と500人がひとつに繋がったスーパームカデ人間が登場! また、刑務所を舞台にした本作はただエログロなだけでなく、囚人たちをムカデ人間化してひとつに繋げば、暴動も脱走もできず、食事もひとり分で済み、さらに犯罪に対する抑止力効果も期待できるという“ブラックコメディ”にもなっている。こんなクレイジーな『ムカデ人間』シリーズを考え出したトム・シックス監督とはどんな人物なのか? オランダの自宅で新作の準備を進めているトム監督にスカイプインタビューを行なった。
──ドイツを舞台にした『ムカデ人間』はナチスドイツが大戦時に行なった人体実験、ロンドンを舞台にした『ムカデ人間2』は英国の保守的な社会の裏側をそれぞれ痛烈に風刺していました。シリーズ完結編となる『ムカデ人間3』は世界唯一の超大国となった米国が舞台。オランダ出身のトム・シックス監督は米国にどのようなイメージを抱いているのでしょうか?
トム・シックス とにかく、デカい国だというイメージだね。すべてがXLサイズの国(笑)。ハンバーガーもコーラも、すべてXLサイズ。だから刑務所もやたらとバカデカい。『ムカデ人間3』の舞台となる刑務所は、大統領の名前を拝した「ジョージ・ブッシュ刑務所」という名前なんだ。ブッシュ政権時代の諸外国に対するデカい態度も含めて、やたらとデカい国・アメリカそのものを風刺した作品なんだ。
──もともと『ムカデ人間』のアイデアは、幼児に対する性的虐待事件にトム監督は怒りを覚え、犯罪者に対する罰として“犯罪者と犯罪者の肛門と口を縫い合わせる”行為を思いついたそうですね。
トム そうだ、その通り! 極悪人に対する罰としてムカデ人間は思いついたんだ。でも、『ムカデ人間』『ムカデ人間2』ではなぜか罪のない人間が事件に巻き込まれて、不条理にもムカデ人間にされてしまった(苦笑)。ようやく『ムカデ人間3』で犯罪者たちへの罰則としてムカデ人間化計画が進むんだ。シリーズ完結編で、自分が本来やりたかった形にすることができたというわけさ。刑務所の囚人たちを全員ムカデ人間化してしまう。素晴しいアイデアだと思わないかい(笑)。犯罪者同士の肛門と口を繋げば、食事代はひとり分で済むし、暴動も脱走することもできない。刑務所全体の予算を抑えることができる。そもそもそんな罰則があれば、誰も刑務所に入ろうとは思わないから、犯罪率も下がる。こんなにいいことはない。米国の刑務所だけでなく、日本でも導入してみたらどうかな(笑)。考えてみれば、刑務所以外でも役立つはずだ。発展途上国の人たちに食料を送りましょうというチャリティー活動をしている人たちがいるが、それよりも彼らがムカデ人間になれば、食料問題はいっきに解決するんじゃないかな(笑)。
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