熱闘! 殿堂入りを目指す男たちの情熱がほとばしる『最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション』
#映画 #パンドラ映画館
シッギ館長はチンコを待つのに疲れてしまった。チンコが縮んだことを嘆くアラソンだったが、“男”でなくなった後も人生は続く。博物館に寄贈されるのはいつになるか分からない。ではその間、トムはどうしていたかというと、エルモにサンタクロース、リンカーン、バイキングなどのコスプレをさせて自撮りしたチンコス画像を次々とメールで送ってきた。シッギ館長のリアクションが鈍いと機嫌が悪くなる。シッギ館長はコレクションの対象物であるチンコは大好きだが、チンコに付随する本体(人間)にいちいち対応するのがウザくなってくる。チンコ待ちの生活が嫌になる。もともとシッギ館長が博物館をオープンしたのには理由があった。身体の大事な一部なのに、どうして性器を見せることはタブーとなっているのか。もっとオープンに性器に関する知識を広める場があってもいいのではないか。世の中に潜む多くの不条理なタブーを破るきっかけに、この博物館がなれればいい。そんな崇高な志が込められているのに、その肝心な部分を理解してくれる人があまりにも少ない。もういいッ! シッギ館長は博物館の存在意義を誰よりも理解している人間のペニスを、つまり自分のペニスを収蔵する手配を始める。
3本のペニスによる壮絶な三つ巴戦の結果、ようやく博物館に収められる1本が決まる。ホルマリン漬けになったチンコは物静かに、だが雄弁に語り掛けてくる。どんなに文明が発達しても、人間は動物の一種に過ぎないのだということを。
(文=長野辰次)
『最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション』
製作・監督/ジョナ・ベッカー、ザック・マース 出演/シグルズル・“シッギ”・ヒャールタルソン、パゥットル・アラソン、トム・ミッチェル 配給/ギャガ映像事業部 8月8日より新宿シネマカリテほか全国順次公開中
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