てれびのスキマが見た【TBS】と【テレビ朝日】──「今のテレビではできないこと」と、どう向き合うか
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TBSはこの『クレイジージャーニー』をはじめとして、現在『有田チルドレン』『世界のどっかにホウチ民』『有吉ジャポン』……と、24時台のバラエティ番組が充実している。その充実っぷりは、一時期、23時台を席巻したテレビ朝日の勢いに似ている。
90年代後半から2000年代にかけて『ナイナイナ』『「ぷっ」すま』『パパパパPUFFY』『ぷらちなロンドンブーツ』『内村プロデュース』『くりぃむナントカ』、そして『アメトーーク!』『マツコ&有吉の怒り新党』などを生み出してきた「ネオバラエティ」枠の勢いだ。
正直いって、かつての勢いは今のテレ朝にはない。その多くが深夜からゴールデンに昇格したことで番組の深度を失い、失速していってしまったからだ。だが、そんな中で、かつて深夜バラエティで元気だった頃のエッセンスを色濃く感じさせる番組が『しくじり先生 俺みたいになるな!!』だ。やはりこの番組も、もともとは深夜に放送されていた番組。それが今年4月からゴールデンに昇格した。
ゴールデンに移動したことで番組の形が変わってしまうことが懸念されたが、今のところそれは杞憂に終わり、数々の名作回を作っている(ただし、2~3時間スペシャルの乱発で、視聴者にとっては視聴習慣が付きづらい状況になってしまっているのはもったいない)。毎回、数十分という長時間にわたって、一人の先生役が授業を行うという形式。視聴者に飽きさせない画変わりが重要視される「今のテレビ」では成功しない、とされていたスタイルだ。特に、ゴールデンでは敬遠される。
しかし、一から「教科書」を作り、それを元に、本当の授業と同じように講義をするというドキュメント性が相まって、毎回熱のこもった放送となっている。
「今のテレビではできない」なんてことはない。工夫をすれば、逆に「テレビでしかできない」ことに変わる。それができた時、「今のテレビではできない」が壮大なフリになって、強烈なインパクトを残すことができるはずなのだ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)
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