タコ部屋で死に物狂いで働いても、手元に残る金はほぼゼロ……『日本人が知らない韓国売春婦の真実』
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一方、韓国国内では、売春婦たちはどのような生活を送っているのだろうか?
日本では、「性行為」としての売春のみ違法とされているが、韓国では手コキやフェラなどの「性交類似行為」までが2004年に制定された「性売買特別法」によって禁止されている。しかし、もともと韓国は国策で全国に100カ所以上の赤線地帯を設けるなど、売春大国として知られていた。そんな名残があるのか、法律が改正されて以降の厳しい取り締まりにもかかわらず、「ルームサロン」「チケット置屋」「オフィステル」などさまざまな風俗店が営業をしているのが実態だ。04年の法律改正時には、法律の即時撤廃を求めるデモが3,000人の売春婦によって行われた。
では、厳しい法律の規制にもかかわらず、なぜ彼女たちは売春婦になるのだろうか? そこには、韓国政府のネオリベラリズムに傾いた経済政策が関わっている。
「国民の過半数が普通に暮らせない状況になりつつある。大学生は就職できないし、就職できたとしてもリストラがすごい。大学生の正社員就職率は49パーセントしかない。過半数は安い非正規雇用や時給のアルバイトで暮らしているってことです」(本文より)
格差社会の韓国において、非正規雇用で暮らす若者たちの平均給与は、およそ8万8,000円程度。もちろん、この金額では、生活することすらももままならない。「どんなに頑張っても自立できないから、自立したい女性は公務員になるか、思い切ってカラダを売るしかないわけです」と、韓国国内の厳しい現状が語られる。
韓国で性売買特別法が制定されたことによって、日本において韓国デリヘルは一気に盛り上がりを見せた。しかし、ここ数年でその状況も変わりつつある。円安になり、韓国人にとって日本で稼ぐ旨味がなくなりつつある現在では、韓国人売春婦が日本を選ばない代わりに、脱北者や中国朝鮮族が「韓国人」として日本に流入しているというのだ。韓国デリヘルをめぐる状況は、国際的な経済状況を反映して刻一刻と変化している。
LCCの台頭や文化交流の活発化などで、韓国はこれまで以上に「近い」国となっている。しかし、まだまだ知られざる真実に満ちあふれているようだ。
(文=萩原雄太[かもめマシーン])
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