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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『27時間テレビ』中居の仕事っぷり
週刊!タレント解体新書 第30回

めちゃ×2イケてる中居正広のオトし方 フジ『FNS27時間テレビ』(7月25日&26日放送)を徹底検証!

 矢部浩之と中居正広は、竹山からのコメントを引き出し続ける。ここでの中居正広のしつこさがすごい。オチになるようなキラーワードが出るまで、しぶとく粘る。矢部浩之の「(この浮気は)本気?」という問いかけに対して竹山は「あの日だけは本気だよ!」と答えるが、それでもまだオチには足りない。そこで中居正広は「(場所は)どちらで?」と質問し、竹山から「京王プラザだよ!」という絶叫を引き出し、それが無事にオチとなる。

 重要なのは、中居正広は決して自分の言葉でオトそうとしていないという点だ。あくまでも、オチの言葉は竹山でなくてはならない。だからこそ、彼は何度も竹山に質問をするのであって、それは結局、中居正広が芸人という仕事をリスペクトしているからだろう。粘れば必ず、オチになる言葉を出してくれる。そう信じているからこそ、変に自分がオチ要員になろうとせず、竹山からの言葉を待ち続けるのだ。

<田村亮(ロンドンブーツ1号2号)>

 プレゼンをするのは田村淳だ。淳は「ある人」と中継をつないでいると煽る。数年前に事件を起こして表舞台から姿を消しているが、今回の『27時間テレビ』で復帰するのではとウワサされている人物を想起させながら、「彼は犯罪者じゃない! しゃべっていいんですよ!」と切々と語る。そして中継がつながった先では、視聴者が想像する「あの人」ではなく、淳の相方である亮が釣りをしていた。

 亮に対してはこの中継はドッキリであり、当然ながら何がなんだかわかっていない。そこでの中居正広の一言目が、まずすごい。

「亮くん。今ね、TED」

 ここで最初に『27時間テレビ』であることをバラさない。何がなんだかわかっていない亮が何を言うかを待つために、わかりやすいネタバラシをしないのだ。実際に亮は「TED」という言葉の意味もわからないため、とんちんかんな返答をして笑いが起こる。亮のパーソナリティを存分に引き出す、素晴らしい仕事だ。

 そしてまた、オチを呼ぶのも中居正広だ。「亮くん、ひとつ聞きます。テレビの危機についてお願いします」と問いかけ、亮から「……テレビは危機ではないと思います!」という亮らしい実にアホな答えを引き出し、見事にオチにする。ここでも、オチの言葉を発しているのは中居正広ではなく、あくまでも亮である。

<出川哲朗>

 出川哲朗はリアクション芸人として、現代のコンプライアンスについてプレゼンする。だが本筋は、実はそこではない。舞台には落とし穴と熱湯風呂がひそかに仕掛けられていて、そこに落ちるまでが出川哲朗の展開だ。だが、出川哲朗は興奮してしゃべっているため、落とし穴が仕掛けられている場所よりも前のほうへ出てきてしまっている。

 そこで中居正広がステージの上に立ち、出川哲朗をうまいこと落とし穴の場所へ誘導するのだ。カメラ位置やカット割りなど、よくわからない理屈をつけて。重要なのは、この仕事は、芸人にはできないという点である。いくらなんでも、出川哲朗がプレゼンを行っている最中に、ほかの芸人がステージに上がるというのは不自然だ。何かある、と感づかれてもおかしくはない。

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